数学者の起業家的人生

こんにちは、清水です。

GW中、フェルマーの最終定理を証明した、
数学者アンドリュー・ワイルズ氏の
ドキュメンタリー動画を見ていました。

たぶん、数学に興味ない人であっても、
フェルマーの最終定理の名前は聞いたことあるでしょう。

360年以上前に、フェルマーがノートに書き残したメモ書きから
世界中の数学者とフェルマーの戦いが始まります。

フェルマーの最終定理を証明するために人生の大半を費やし、
結局、証明できないまま人生を終えた数学者が
多数存在すると言われています。

ある意味、悪魔の定理です。

その悪魔をやっつけたのがアンドリュー氏。

実は私も数学科出身なので、こういう研究者の
人生を知るのは大好きなのです。

子供の頃にフェルマーの最終定理に出会ったアンドリュー氏は、
将来、ぜったい自分がそれを証明してやる、と心に決めます。

ところが、大学に入ると、教授のアドバイスによって
フェルマーとはまったく関係の無い分野の
研究を始めることになります。

なぜならば、当時、フェルマーの最終定理を証明しようとする
数学者が多数いた一方で、この定理はそもそも
証明できないものであるという説もあったからです。

教授はアンドリュー氏の才能を無駄にしないためにも
別の研究を薦めたのです。
そして彼は実際、その分野の第一人者へとなっていきます。

しかしあるとき、まったく関係ない分野を研究していたにも関わらず、
フェルマーの最終定理を証明する足がかりを考え付きます。

いてもたってもいられなくなった彼は、全ての研究を投げ出して、
その後７年間、フェルマーの最終定理の証明に没頭します。

そして1995年、完璧に定理を証明をしたことが発表されました。

彼の数学者として生き方は、まさに起業家としての生き方にも
通じるものがあると思いました。

1．まず、子供の頃の夢を思い続けたこと。

子供の頃にはみんな夢があるものですが、
社会に出ると、現実に直面して夢を夢のままに
終わらせてしまいます。

アンドリュー氏もそうでした。

しかし、彼は夢を忘れなかった。

夢を実現できるかも知れない機会が訪れたとき、
迷わずそこに飛び込んだ。

さらにスゴイのが、ここが数学者と起業家の異なる点ですが、
もしかするとその夢は、理論的に不可能かも知れないものであったこと。

起業家が抱く夢の大半は、理論的に無理というのはほぼ無いです。
せいぜい簡単か、困難かの違いがあるくらいです。

しかし、フェルマーの最終定理は、元々フェルマーの
メモ書きでしかないわけですから、実はフェルマーが間違っていて、
そもそも証明できないものである可能性があったわけです。

（実際、フェルマーが証明したと書いたのは、
彼の勘違いであったというのが定説になっています。）

それにも関わらず、今後の人生を費やす決意をしたのです。

2．残りの人生を賭けるものに出会ったこと

多くの人は、これこそ自分の人生を賭けるに値するものだ、
という夢に出会うことなく、過ごしてしまうものです。

そう考えると、彼が子供の頃にフェルマーの最終定理に
出会ったのは、ある意味幸運だったかも知れません。

起業のリスクの話をすると、
お金を失うリスクが第一に来ることがほとんどですが、
私はお金よりも時間を失うリスクの方が
はるかに代償が大きいと思っています。

なので、人生の中で何に取り組むか、
というテーマはとても重要だと思います。

彼は人生を賭けても良いと思えるものに出会い、
それに取り組む決意をした。

もし証明できなかったら、残りの人生、
何も達成できずに終わってました。

たぶん、そこには非常に大きな葛藤があったと思います。

3.エネルギーを集中させた

フェルマーの証明をしようと思ってから７年間、
彼は学会などもほとんど出席をせず、
ひとり部屋に閉じこもって研究をしました。

フェルマーと家族のこと以外は
何も考えなかったと言っています。

そのせいか、あいつはどうかしてしまった、
という中傷もあったそうです。

そんな外野の声にも耳を貸さず、
エネルギーを集中させました。

他にもありますが、彼の心境などを推測すると、
学べることが多々あるものです。

P.S
あなたも「ドリーミングルーム」で子供の頃の夢に
もう一度取り組んでみませんか。
http://www.nextleader.jp/gerber/

※５月分の募集は既に終了しましたが、
今回優秀な方々が集まってくれて開催が楽しみです。