ごめん、僕はもう仕事を辞める!

from 杉本

「ごめん、僕はもう仕事を辞める!」

以前、私が外資系企業で、
働いていた時のことです。

毎年、各国の責任者が1月2日に、
アメリカ、コネチカット州にある本社に集まって、
年初の会議をしていました。

休憩中に、東南アジア担当だった
香港人のアンソニー・プーンが、みんなの前で
突然やめると言い出したのです。

みんなは、その理由を聞こうとしました。

彼は、昨年の暮れに、
娘が香港を出て、
外国の大学に行きたいと、
言い出したのだそうです。

「彼女が家を離れるまでに、あと2年か」
と考えていたとき、
彼は、その娘のことについて、
ほとんど何も知らないことに気づきました。

というのも、
彼は東南アジア全体を担当していましたので、
香港の家を出て、フィリピンに行き、
次にタイに向かい、それが終わったら、
台湾や中国にというように、
なかなか家に帰れない日々を過ごしていました。

それを12年間も繰り返していたのでした。

彼は、幸せに暮らすためには何よりも、
家族と過ごす時間が大切だと、
普段から言っていましたが、
実際には、家族と一緒にいる時間が、
ほとんどなかったのでした。

あと2年間しかない娘との時間を、
大切にするために、
彼は仕事を辞め、
香港で毎日、家に帰れる仕事に就きました。

そしてついには、
アメリカ、カリフォルニア州で仕事に就き、
娘もその家から、大学に通うことになりました。

自分にとって、とても重要だと思うことを、
優先順位を高くして、実行することは
当然のことだと思います。

しかし、重要だと思っていることと、
それを優先できているかどうかは
別のことかも知れません。

そのことを表す良い例として、
7つの習慣で有名な、
スティーブン・R・コヴィー博士の、
コンサルタント経験を挙げてみます。

重要なことに優先順位をおくことに関連して、
コヴィー博士は、あるとき、
ショッピングセンターのマネージャーたちに
質問をしました。

「もし、常日頃から行なっていれば、
あなたの仕事の業績を著しく向上させる活動が
一つあるとするなら、それは何でしょうか?」

すると、答えは満場一致で、
「テナントの店長たちとの人間関係を築く」
というものでした。

ところが、実際には「人間関係構築」には
全体の5%の時間しか使われていませんでした。

報告書作成や、会議など、
「緊急」なことに追われて、
それどころではなかったからです。

そこで、彼らは自分たちの仕事時間の30%を、
そのために、使うと決めました。

マネージャーは、テナントの店長の相談相手となり、
コンサルタントとなりました。

その結果、テナントの売り上げは
飛躍的に増加し、ショッピングセンターの賃料も
大幅に拡大したのです。

優先順位の高いことを
先に行なうようにするということを
アンソニープーンも、実践したのでした。

彼にとって、
より重要なことを、優先することで、
彼は心に平安を取り戻しました。

私たちは、社会の中で、
常に「緊急」なことに、
満ちあふれた社会の中で生きています。

「緊急」というキーワードではなく、
「重要」というキーワードを優先させると、
意義ある満足した人生を送ることができます。

育自コンサルタント
−自分を育てるお手伝い−

杉本恵洋(すぎもと しげひろ)

PS.7つの習慣のスティーブン・R・コヴィー博士に
興味がある方はこちらをどうぞ。
今なら書籍「第3の案」もプレゼント中だそうです。

http://www.nextleader.jp/the7habits/freebook/

4 thoughts on “ごめん、僕はもう仕事を辞める!

  1. 誰しも、自身における緊急性のある行動は何か?を分かっていながら、様々な「出来ない理由」を並べ立てて先送りしてしまいます。

    でも、人生において時間は有限でしかも残された時間さえ未確定です。

    忙しさに流され、つい忘れがちですが「やりたいことは今やる」を常に意識しておきたいですね。

  2. いいね!を押したら、記入欄が出てきたので、そちらへ記入しました。~私に、やめることで優先順位を一番にした方がいいものを実際に一番ににできるかしら?考えてみます。

  3. 1日5分でも家族会議をして、状況報告とアドバイスをするようにしたらいいと思う。

  4. 初めて投稿します。私も26歳から海外の仕事に従事して早43歳を迎えました。現在は中国で工場を管理する仕事についていますが、子供が3カ月の時から始まった海外の仕事がすでにその子が高校1年生となってしまいました。家族帯同での海外生活が中心となっていましたが、現実は仕事の都合上週末くらいしか一緒に過ごせる時間が無い状況が長く続き、現在は学校の事もあり、家族だけ日本での生活となり離れ離れとなっています。家族の為に働いているつもりですが、もしかしたら何か間違っているのかもしれません。今回のお話を拝見し、なんだか自分と自分の家族が切ない気持になってきました。大切な事は何なのか改めて考えてみたいと思います。

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