どう使うかのイメージ

吉永賢一
吉永賢一

吉永賢一です。

ある知識を自分に入れるとき
「どう使うか?」という観点からイメージし
手順を設計して、頭に入れます。

なぜなら「その知識を使う」のは
あくまでも「使うとき」だからです。

この単純なことがつかめていないと
「知識を自分に入れる」ときに「入れる」ことだけに注目してしまって
「使う」ときとは違う方法で頭に入れることになります。

そのようなことを避けるためにリハーサルや
問題演習やOJTが大切になりますが、
これは、教える側が気をつけていれば
はじめから避けられる問題なのです。

つまり、教えるときには
「使い方」まで加えて教えます。

をあげます。
(数学の例ですので、ちょっとわかりにくいかもしれませんが)

三角関数をはじめて導入するとき、
もちろん定義は伝えますが、それだけでは
それをどのように頭に入れるかは、生徒それぞれです。

ですから、ぼくは次のようなことを言います。

※当たり前のことですが
それが「当たり前」になっていないと
後の苦労を生んでしまうような知識は
なるべく事前に言ってあげる方が親切です。

「角度の線がついている方がコサイン、
角度がついていない方がサインだよ」

「斜辺にコサインをかければ、
角度の記号がある方の辺の長さ、
斜辺にサインをかければ角度の記号がない辺の長さだよ」

さらに、直角の記号の位置からも見るようにします。

実際の問題では、三角形は回転してあらわれます。
(特に、円のなかにあるとき。)

それを、ふつうの位置関係
(隣辺が水平、対辺が垂直)だけで教えると
生徒は頭の中で、「水平、垂直、右、左」
などの情報をもとに覚えてしまいます。

なぜなら、それで「その場のチェック」を通過できてしまうからで
生徒は「そのチェックをくぐりぬけるために最小限の頭の使い方をする」
ようにする傾向を持っていますから、

教える側としては「使うときに十分な」頭の使い方ができるまでは
チェックを通過できないようなチェックを行うのです。

実際の問題で使えるには、
直角の場所と、角度記号の場所からわかり
さらに「三角関数=」の割り算のかたちだけではなくて
「斜辺×三角関数=」のかたちで、最初から(頭の中で移項せずに)
わかるようにしておくことが有効なのです。

そこまで教えてあげれば
「どう使うかのイメージ」まで生徒に与えることができて、
だからこそ「使うときにスムーズ」になるのです。

文字で書くとわかりにくいかもしれないですが
これを板書で説明しながらやれば
「はじめての人」でもわかります。

そして、もちろんこれは
数学だけに限りません。

実務でも同じです。

「実際に使うとき」に着目して手順を設計し
それを伝えればスムーズに使えます。
(特に、「時間的順序」が大切です。)

そうしなければ、「使うとき」に
毎回「使うため」に作業を組み替えねばならず
それは頭を使い大変なことなのです。

Keep up good work.

ー吉永賢一

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2 thoughts on “どう使うかのイメージ

  1. どの場面でどう使うか。リアルに想像しながら新しい知識を増やそうと思いました。

  2. このように教えることができる先生は少ないのでしょうか?最近、私も子供達も気に入った家庭教師さんが我が家に来てくれています。息子も、やっと生き生きと勉強を始めました。キッチン横のダイニングテーブルでの息子と家庭教師の会話を聞いていると学校の内情がわかってしまいます。家庭教師さんの質問がよいからだと思います。そして、幅広い知識と優れた人格が息子の心をとらえたのだと思います。学校内は、たいへんそうです。先生も疲弊されているのではないかと予想してしまうほどです。もしくは、教える技術を極めることをやめてしまうか。先生の仕事をもっと簡素化しほしいです。中学校のことですが。問題を抱えている子専属の先生、部活顧問は地域NPOに任せるとか!

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