「沖縄の病院で・・・」

バリ島にて
from杉本

当時私は、外資系の医療機器会社で、
営業部隊の訓練を担当していました。

ある時、沖縄駐在の営業マンと
同行することになり、
前もって、打ち合わせしました。

「何か手伝うことある?」

「実は、名護市にあるC病院の
Aドクターなんですが、当社の人間とは、
口もきいてくれなくて困っているんですよ。」

「何とか、関係を築くきっかけを
作って欲しいのですが。」
と依頼してきました。

私は、その営業マンに、
「Aドクターが、話したいと思うような
話題は何?」
と尋ねました。

少し考えて彼は、
「Aドクターは、肺がん手術の際に使用する、
傷つけずに優しくつかむ肺鉗子(かんし)を、
開発したことを、自慢にしているみたいです。」
と答えました。

その病院に到着し、挨拶しても
横を向いて、私たちを見ようともしないドクターに、
そのドクターが発明した肺鉗子について
私は、質問しました。

「PN鉗子を開発なさった先生に、
お会いできるというので、
楽しみにして参りました。
ところで先生は、どのようなきっかけで、
PN鉗子を開発しようと思われたのですか?」

すると、私たちのライバル会社の人間以外とは
ほとんど話そうとしなかった、このドクターは、
おもむろに、私のほうに向き直りました。

そしてそれから延々と、1時間以上も、
その鉗子を開発するのに苦労した点や、
どんなに使い勝手がいいのかなどを
話し続けました。

最後に、Aドクターは、
こんなに、鉗子に造詣の深い
人間に会ったのは久しぶりで、
ついつい話し込んでしまったと言いました。

でも私は、鉗子については、
専門家でもなんでもなかったのです。

ドクターが、ずっと話していて、
私は、「へえ〜」とか「それで?」とか、
相づちを打っていただけでした。

私は、
「人間関係を築く近道は、
相手が深い関心を持っていることを話題にして、
自分は聴き手に回ることだ。」

と確信しています。

自分の話したい話題を話していると、
自分が気持ちいいだけです。

「良い聴き手は、相手の心を
簡単につかむことができる」
とよく言われますが、

良い聴き手になるためには、
相手の関心事について、
たくさん話してもらうことが必要です。

そして、そのためには、
相手が何に関心を持っているかを、
前もって調べておくか、

もしくは、
会ったその場で、関心事を
見つけなければならないのです。

相手の関心事を見つけて、話し合うことは、
結局、お互いの利益につながります。

また、そのようにすることで、
思わぬ副産物も手にすることができます。

それは、どんな相手と話をしても、
その度に自分の人生が広がると言うことです。

そのことで、自分が成長していくのです。

さて、最後にあなたに質問です。

会ったその場で、相手がどんなことに
関心を持っているのかを、
どのようにして、見つけていますか?

是非とも、あなたの方法を、
私たちにも、分かち合って下さい。

お待ちしています。

育自コンサルタント
−自分を育てるお手伝い−

杉本恵洋(すぎもと しげひろ)

PS.
良い聴き手になるためには、自分のセルフ・イメージを
高く維持しておくことが大事です。
http://www.0stresslife.com/zrl/

4 thoughts on “「沖縄の病院で・・・」

  1. どうやって見つけているんだろう???「こんにちは」と笑顔で挨拶をして、「うん、うん、そうなんだ」と話を聞いていると、相手がどんどん話してくれます。(笑)
    私は、「自分が何を話そう」とは考えません。ただ、相手のコトバに集中します。

  2. 営業時代に先輩から教えてもらった、初対面の人との会話のきっかけの作りです。
    「木戸に立てかけし衣食住」

    き・・・季節
    ど・・・道楽(趣味)
    に・・・ニュース
    た・・・旅
    て・・・天気
    か・・・家族
    け・・・健康
    し・・・仕事
    衣・・・衣類
    食・・・食事
    住・・・住まい

    この中から会話のきっかけを探るわけですが、私の経験では「最近旅行されましたか?」が、一番良い反応がありましたね。旅行まで行かなくても、ドライブや散歩でも結構話が続きました。秘訣は杉本さんが言われているように、ひたすら聞き役になることです。

  3. 私の場合はとりあえず、様々なネタを振り、聴き手に回り、一番食いついてきた内容の話を深めていくようにしています!

    貴重な学びをありがとうございました!

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