教わる涙

吉永賢一

吉永賢一です。

ぼくが、物理や数学を教えていると、
生徒の目から涙があふれ出すことがあります。

厳しいことを言って涙があふれ出すのは、
わかりやすいです。

家庭教師の場合、継続して教えられる
ことが期待できそうなときには、
ぼくは、かなり「キツい」ことを言うときもあります。

そういうときに泣かれることもよくあって、
これは、ぼくにもわかりやすかったです。

でも、それだけじゃありません。

ふつうの物理の話や、数学の話、
生物の話でも、泣く人が出ます。

「共に歩む」と題して、
毎月お会いしてゆくこともやっているのですが、
そこでも「なぜか涙が出る」という現象が起きます。

本当に、何度も何度も、
そういう事態に遭遇してきました。

「これって、何だろう?(何の涙だろう?)」

と考えてきたのですが、ようやく、

「ほぼ間違いないのかな」

と思える考え方が心に出てきたので、
ご紹介したいと思います。

たぶん、これは、法悦です。

「本当のこと」に近づいた涙です。

それで、ここまで考えてきて、
ぼくは、ぼくの誤解に気づきました。

「厳しいことを言ったときの涙」

これにも、法悦になっているだろう場合があるということ。

それは、「本当は、もっと伸びることができる」
ということの肯定でもあるからです。

悔しい涙とは、ちょっと違うときがある。

プラトンが言うような「エロス」が
強く肯定されたということです。

心の中のエロスを、おさえる必要がないと
知った喜び。

そして、実際に進化したよろこび。

思い出したよろこび。

体験していない人は、
なんだかわからないと思いますが、
そういう喜びが、心からあふれてくることが
あるわけです。

しかも、これが無意識の中で起こると、
意識には、何が起きているのか、
よくわからない。

本を読んでいても、
そういう涙が出てくることがあります。

「学ぶ喜び」というのは、
実学的な成果だけにあるのではなく、

「本当のことに近づく」

それ自体が、よろこびでもあるということ。

この喜びは、人の生きがいの原動力でも
あると思います。

ー吉永賢一

P.S.
もちろん、別に、涙が出なくても、
心配する必要ないです。

ただ、今の世の中、
「法悦」っていう現象は一般常識じゃないし、
そういう話を聞いたとしても、
なんか怪しい感じがすると思います。

ぼくは、仕事柄、そういう現場に
たくさん遭遇してきたから、

「なるほど、本当に
そういうことってあるんだ」

と今は思えます。

会いたい人としばらく離れていて、
久しぶりに会ったら、うれしくて涙が出るかもしれない。

そういうのに、似ているのだと思います。

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6 thoughts on “教わる涙

  1. 最近ミシェル・フーコーの「知への意志」を読んだときに
    それまで自分の心に内在していた疑問が一気に氷解して
    涙が溢れ出してしばらく止まりませんでした。
    あれが法悦ですね。

  2. おはようございます。吉永先生のファンです。今朝もメールが届いて嬉しいです。毎回共感できて教わることが沢山あります。
    今日の「教わる涙」も帰ってからゆっくり読みます。
    取りあえず私も涙を流す一人なのですが、勿論吉永先生のお話で自然に涙が出てくる時もあるのですが、私の場合母と子の話の時が多いです。仲の良い楽しそうな親子ではなく、最悪で、母親から愛情を受けられない子供、母の場合です。本題に入る前から溢れてきます。
    何なのだろう?と思っていました。
    今日の事にも繋がるかも知れません。今日学校から帰ってゆっくり読みなおしてみて答えが出たらいいなと思います。
    いつも感謝をしています。有難うございます。
    では行ってきます。

  3. いつも気づきがたくさんある言葉を
    ありがとうごさいます。

    私たちは世界の本質に近づくことで
    生きていることを実感できる気がします。
    私の生きている意味は
    そこにあるのではないか、
    と今考えさせられました。

    吉永先生の生徒は幸せ者ですね。
    私もこのメルマガを読むことが
    できたことを幸運に思います。

  4. 素敵なお話をありがとうございました。今の時代そのような瞬間は本当に少ないと思います。でも静かなその一瞬は 別に大勢を巻き込んだ劇的な大騒ぎをするものではないので、貴重さに気がつかなかったり 忘れられることが多いのかもしれません。繊細さ、直感力を失ってしまった上に、あまりにも進化してしまったできあがったものだけを使っている私たちが すべてを失いつつあるということをまた考えさせられたお話でした。

  5. 法悦というのですね!!
    すごくわかります!
    今まで、その感情は、天からの贈り物と思ってました。
    なんだか宗教的ですが・・そういう表現しか思い浮かばなかったので。
    でも、『法悦』って、いい響きの言葉で気に入りました。

  6. ほんとうの事に近づいた時に、自然に涙が出てくる!
    現代の日本人は建前で、ほぼ毎日を生きている!
    もっと本当の事に近づく努力をするべきだと思いました!

    貴重な学びをありがとうございました!

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