好かれたいことと、嫌われたくないことは矛盾している

吉永賢一

吉永賢一です。

(心の中で)以前やったセミナー(On Leadership)の
ビデオを整理をしていたときに気づいたことがあります。

On Leadershipでは、もちろん人間関係についても
扱ったわけですが、そこでは、

・知ろうとしている関係
・好かれようとしてる関係
・嫌われようとしている関係

などの観点を出して、参加者のみなさまに考えてもらいました。

このとき、実はぼくは、

「どうも伝わりにくいな・・・」

と感じていました。

つまり、そこには、

「知ろうとしている関係」

ではない関係が生起していたわけで、
そういう「雰囲気」を感じ取っていたわけです。

そしてまた、(心の中で)ビデオを整理していて、

「あれは、なんだったんだろう・・・」

と考えていたのですが、ふと、わかった気がしました。

そこで忘れられていたこと、見逃されていたことは、

好かれたいことと、嫌われたくないことは、矛盾している
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

ということなのではないか。

そして、このことは、世間のあちこちで
誤解されているということです。

つまり、どうも多くの人にとって、

「好かれたいこと」=「嫌われたくないこと」

のような等式が、心の中にあるようなのです。

そして、この等式が、「知らないようにする」という働きを
もたらしていたのではないかと、ふと
そんなアイデアが心に出てきたのです。

この等式は、どこから来るのでしょうか。

推測してみます。

1)好きと嫌いは、反対語である
2)よって、好かれたいと、嫌われたいは、反対の意味である
3)反対の反対は肯定であるから、「好かれたい」気持ちと
「嫌われたくない」気持ちは、同じものだ

おそらくは、おおよそ、このような
論理が働いているのではないかと思います。

ところが、ぼくの考えでは、さきほども書いたように、

好かれたいことと、嫌われたくないことは、矛盾している
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
のです。

ですから、好かれたい気持ちと、
嫌われたくない気持ちを両方持つなら、
苦しみが生まれるはずです。

そして、孤独感が強化されるはずです。

もう少し、説明してみます。

好かれたいという気持ちは、積極的に関係を結ぼうとする気持ちです。

良い関係を作る気持ち、距離を縮める気持ちです。

嫌われたくない気持ちは、消極的な気持ちです。

関係の悪化を避けようとします。

ですから、関係を持つことを避けます。距離も保つことになります。

このように、両者は矛盾しています。

ですから、これを一緒に考えてしまうと、
現実認識に混乱が起こると思います。

そして、距離を縮めたい気持ちと、距離を保ちたい気持ちが
心の中でぶつかって、摩擦を起こし、
苦しみを生むと思います。

一方、両者を同じものと見なさず、
今はどちらが出ているのかと、
関係を観察してゆくと、
もっと「見えてくる」ものがあるのではと思います。

好かれたいときは、好かれるためのことをする。

嫌われないためには、嫌われないようなことをする。

この両者を、それぞれやってゆくということです。

これを、いっぺんにやろうとすれば、
苦しくなってしまいます。

今は、どちらをやっているのか、
認識できるようになってゆくということです。

こういうところを見てゆくと、
相手にどう応対するのが良いのかも
わかりやすくなります。

そして、私たちは、
好かれようとしたり、嫌われないようにしたり、
あるいは、好かれないようにしたり、嫌われようとしているとき、

「真実を知ろうとする気持ち」

から遠ざかります。

今、何が起きているのか。

それを知ろうとするのは、

「真実を知ろうとする気持ち」

だと思います。

もちろん、「本当のことなんか、知りたくない!」という心の
動きを感じることもあるでしょう。

現代のリーダーは、こういうことを観察したり、
感じたり、考えることが求められていると思います。

浅薄な人と触れあっても、
そういう人についてゆこうとは
なかなか考えられないだろうからです。

今日の内容は、
On Leadershipに出ていない人にも役立つと思ったので、
書いてみました。

ぜひ、日々の生活に役立てていただけたらと
思います。

あなたに、すべての良きことが、
なだれのごとく起きますように。

ー吉永賢一

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3 thoughts on “好かれたいことと、嫌われたくないことは矛盾している

  1. 嫌われて構わないというきっぱりした態度が逆に相手が自分に好感をもってしまうこともあります。最近は女性に対して厳しい指摘ができない人が多いけれど自分でもかなりきつい態度で接しているのに相手が自分を他の女性に「あの人が一番素敵な人だ。」と言っているのを聞き驚いたことがあります。

  2. 嫌われたく無いという負のオーラを放って人と接していると、相手も負の感情で返してきますよね!
    常にプラスの気持ちで相手と向き合います!

    貴重な学びをありがとうございました!

  3. 今回の記事は、吉永先生にしては、「あれ?」という読後感を持ちました。
    「漏れ」や「ダブり」をなくす方法を、私は、先生の著書などを通して間接的に
    教えていただいたからです。
    有用なツールをいつでも使いこなすことは、とっても効率的ですね。

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