シリコンバレーのベンチャーにアドバイスしたこと


いまから30年程前、マイケルE.ガーバーは
シリコンバレーにいました。

保険のセールスマンとして活躍していた彼は、
もうビジネスの前線で働くことを辞め、
牧歌的な暮らしをしようと考えていました。

そんなある日、知り合いの紹介で、
シリコンバレーの会社、
いわゆるITベンチャーの社長と
会うことになります。

ガーバーは知り合いから、その社長に対してアドバイスを
して欲しいと頼まれたのです。

ところが、考えてみてください。

保険のセールスマンである彼が、
どうして最先端のITベンチャーのビジネスについて
アドバイスを出来るのでしょうか?

ガーバーも、そして相手の社長も同じように考えていました。

お互い、何を話したら良いのかわからないまま、
ミーティングがスタートしました。

少しずつ会話が進んでいき、1時間ほど経った頃、
ガーバーは突然のひらめきによって興奮を抑えられなくなりました。

そのひらめきを基にして、まもなくマイケル・トーマス・コーポレーション、
E-Mythの前身となる会社をスタートさせることになります。

牧歌的な生活をしようと考えていた彼を起業へと駆り立て、
さらには世界100カ国以上に6,5000社のクライアントを
抱えるまで成長させた原動力は、30年前の一つのひらめきだったのです。

さて、そのひらめきとは?

ガーバーは、ベンチャーの社長と話しているうち、
2つの重要なことに気が付きます。

一つ目は、その社長はテクノロジーには詳しいが、
ビジネスに関してはまったくの素人だということ。

もう一つ目は、自分がどんなビジネスにも通用する
セールスのシステムを持っているということ。

つまり、自分が持っているノウハウはどんなビジネスにも適用できる。
そして、それを求めている会社がたくさんある。
ここには、とても大きなビジネスチャンスが存在する。

と気が付いたのです。

ガーバーはその社長に、ビジネスをシステマチックに構築する方法を
アドバイスし、彼らが最初のクライアントになりました。

What’s Missing in This Picture?
この絵には何が欠けている?

このストーリーの中に、「それが好きだから」というだけで
ビジネスを始めてはいけない理由が隠れています。

これからビジネスをスタートさせようとしている人に対して、
ガーバーが口癖のように言っている言葉が、

「What’s Missing in This Picture?(この絵には何が欠けている?)」

です。

その状況の中で、何が足りないのか、何が必要とされているのか?

まずそこから発想しよう、というわけです。

ガーバーの場合には、ITベンチャーの中に、 セールスのシステムが欠けていることに気が付き、
ワールドクラスのビジネスが生まれました。

このように、絵の中で欠けているものと、
自分が持っている知識、経験、または情熱が結びついたときに、
始めて、真の起業家としての熱が生まれます。

「What’s Missing in This Picture?」
のレンズを意識してみれば、新しい日常生活になるでしょう。

5 thoughts on “シリコンバレーのベンチャーにアドバイスしたこと

  1. 私は、とっても欲張りです!
    何かを作る時、場合によっては1㎜でも気にします。
    ですが、効率を考えないわけではありません。
    だから、ビジネスにするには、自分が作りたいものを作るよりは、
    求められているものを作る方がビジネスの継続が成り立つと思っています。
    「自分が何をしたいのか」を知ることで、目指す場所が分かります。
    ビジネスを継続させたいのなら、求められる物を作ること。
    自分の作りたい物を作るのなら、ビジネスにせず趣味にとどめる。
    『絵の中で欠けているもの』
    これが、「求めているもの」と同じということですかね?
    ん~~ちょっと違うかな?
    「真の起業家としての熱」・・・この、生み出される部分が実感できていないような気がします。
    見つめていきます。

  2. 欠けているものに気づく・・・

    これが難しい

    また、あるものに気づく・・・

    これも難しいものである。

  3. ダンケネディと出会うまでは、マーケティングというものを、重くは考えていませんでした。
    例えば本を売る。前ならブックカバーのデザインを真剣に考えます。本は見映えが大事だし、表紙が今イチだとだれも開いてくれないのではないかと。
    しかし、今は違います。人が本を手にするもっと前の段階が重要だということに気づきました。
    すなわちマーケティングです。
    「CDを出すのは簡単。でも売るのは難しい」
    「本を出すのか簡単。しかし、売るのは難しい」
    その本を出版したことなんか、世間のだれも知らないわけですから。宣伝しなければどんな傑作でも売れません。
    マーケティング技術を習得した作家は最強だと思います。

  4. 「What’s Missing in This Picture?(この絵には何が欠けている?)」
    なるほど、そうですね
    私には、足りないものだらけですが…
    何故、こんな役立たずが存在しているんだろうと思うくらいです
    何か役割があるとも思えないですし…

  5. 技術者と営業が1つになれば、
    1人で何でも出来ますね

    その代表的な人が、
    堀江貴史氏

    彼の技術の面と営業の面を
    それぞれ上手い具合に活かして
    成功を収めましたもんね

    今IT関連の社長もそういった人たちが
    増えてきているように思います

    自分もそんな人物になろうと
    今黙々と勉強中です

    ありがとうございます

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