崖っぷち

崖

それは先日の日曜日の夜の出来事。

その日から1週間ほど大阪に滞在するので
事前に予約していたウィークリーマンションに
入居することになっていました。

無事、ウィークリーマンションに到着したのは
深夜の0時30分。

1週間分の荷物を持って歩きまわったので
これでようやく一息つくことができます。

たしか、鍵は郵便受けに入れてある
ということを聞いていたので
鍵を取りに郵便受けを見てみると、、、

「あれ?」

郵便受けにダイヤルロックが付いています。

ダイヤルロックの番号なんて聞いてないし
おかしいなと思いつつ郵便受けを開けてみます。
が、当然郵便受けは頑として開きません。

郵便受けのスキマを覗くと
確かに奥に茶色い封筒があるので
その中に鍵が入っている感じではあります。

とりあえず封筒さえ取れれば入居できるので
そのスキマに手を突っ込んでみましたが、
指の先が入るだけで封筒にはまるで届きません。

このまま夜を明かすわけにもいかないので
かなり頑張ってスキマに手を突っ込んだり
持っていたペンでたぐり寄せたりしてみましたが
封筒が動くことはありませんでした。


光明

開かずの郵便受けを前に
途方にくれているとふと入口付近に
緊急連絡先であるセコムの電話番号が
書いてあることに気付きました。

助かった〜。とばかりに
早速書いてある番号に電話してみると、、、

「管理会社に確認しますのでしばらくお待ち下さい。」

というなんとも頼もしいお言葉。

(良かった。これで中に入れる。)

心のなかでほっとしていると
10分くらいして、
待ちに待った電話がかかってきました。

「もしもし。」

「緊急連絡先に確認してみましたが、
部署が違いますしわからないということでした。

通常そういったケースでは
会社の担当者様に伝えているハズということですので
よろしくお願いします。」

「えっ?よろしくお願いしますって
それはそちらではわからないということでしょうか?」

「そういうことになります。」

(いやいやいや。たらい回しやんけ。
よろしくお願いしますって何をよろしくしたらええねん。)
と心の中でツッコミを入れてみます。

後で会計担当者が詳細メールを
私に転送していなかっただけと判明したものの
この時点ではどちらの過失かもわからないので
相手を責め立てるわけにもいきません。

また責め立てたところで
問題が解決しそうにもありません。

これは大変だ。時間も時間だし
いよいよ最悪の事態が現実味を帯びてきます。


アイディア

もはやこれまでか。

鍵を目の前にまた大量の荷物を引っ下げて
トボトボとネットカフェに向かわねばならんのか。
嫌な予感が脳裏をよぎります。

しかし、そう簡単に諦めるわけにはいかない。
郵便受けには希望のスキマがあり
そのわずか15センチ先に封筒はあるのです。

そしてそのスキマに手は入らないが
ボールペンなら入ることはわかっています。
ただ、封筒までの絶対的な長さと
たぐり寄せるための何かが足りないのです。

そのときです。

長い棒のようなものの先に
テープのような粘着性のある何かがあれば
封筒をたぐり寄せることができるのでは?

ということに気付きました。

幸い、近くにコンビニがあり
そういった道具を調達することは
不可能ではありません。

しかしこんなしょうもないことに
貴重な身銭をあまり切りたくはありません。

頭の中で何度かシミュレーションし、
最終的に行きついたケツロンは
割りばしとセロハンテープ。

コンビニでセロハンテープを購入し
割りばしをもらいます。

割った箸をセロテープで縦に繋ぎ長さを確保し
その先端にセロテープを付ければ
条件に見合った道具になります。

はたして封筒はスキマから出てきて
ようやく鍵を入手して事無きを得ました。


思考

窮鼠猫を噛む
ということわざもあるように
追い込まれた人間は頭を振り絞り
知恵を総動員して必至に考えます。

それが崖っぷちであればあるほど
真剣になり本気で考えるものです。

借金地獄の人が成功する事例があるように
頭を使ってしっかりと考えれば
逆転満塁ホームランを打つことも
不可能ではないのです。

そして崖っぷちが生み出す緊急性は
普段、ぬるま湯に漬かっているときには
持ち得ない行動力を得ることも可能です。

崖っぷちに立たされた人は
普段以上に真剣になります。

崖っぷちに立たされた人は
普段以上に頭を使って考えます。

崖っぷちに立たされた人は
普段以上にたくさんの行動を起こします。

もし、いいアイディアがないとか
行動できないとかで悩んでいるなら
あえて自分を追い込んでみるもの
いいかもしれませんね。

—森兼

PS.
良い閃きを得たいなら
ジェームスの音声を聞いてみてください。

https://www.jamesskinner.jp/newlife/

16 thoughts on “崖っぷち

  1. 崖っぷち

    ほんとうに命がかかると

    すごいチカラがでるものですね。

    もっと行動をしなければ・・・

  2. 日本人が海外に行くというと「英語わからないしー」という感じの人が多い。でも日本語も英語も通じない国に行くと「せめて英語が通じないものかな」と思うもの。英語もそれほど頑張って勉強した人でなくても「こういえば通じるだろう」という感じで自分の知っている語彙の範囲内で形容詞など知らなくても
    動詞を知っていれば形容詞形に作ってしまったり、単語を自分で作ってしまったりして、工夫して話せば多少の間違いがあっても通じます。後で作ってしまった単語を辞書で確認すると合っていたりする偶然もあるけど。もっとも最悪どうしても話せなければ全部日本語で話してしまったとしてもその人の置かれた環境や服装、その場所などから現地の人もある程度察してくれて通じることもあるのです。スペイン語圏内のジムに行ったときも「もう閉める時間だよ!」って腕時計をさして言ってくれればジムでトレーニングしている時間帯や周囲の雰囲気で察することが出来ます。黙っているとかコミュニケーションを諦めるのが一番いけない。ピンチでも工夫し諦めずにやってみましょう。頭のトレーニングにもなるのだし。

  3. いつも、とても勉強になります!!大変でしたね~。お部屋に入れてよかったですね~。

  4. 人間なんですね。と、普段は平和な自分を慰めていますが・・・。
    何故?なんでしょうか?
    崖っぷちにたってからでないと頭が働かないのは・・・。?
    それは、崖っぷちにたった経験の数なのでしょうか?
    小さな崖っぷちなんていうのは数知れない・・・。
    なぜ、崖の高さに応じた知恵が浮かぶのでしょうか?
    答えとしては、人生に対して真剣に立ち向かっていない。
    ということなんでしょうね。

    崖っぷちにたたされないような人生が欲しいものですが、
    あえて崖っぷちにさらけ出してしまうやり方になってしまっている
    今の行動はまあまあいい方向にあるのかも知れないと
    考えて慰めています。
    急がばまわれ、急がば品質最優先、メーカの鉄則ですか?

  5. 割り箸にセロテープで崖っぷちを乗りこえた体験は小生にもあります。緊急時の智慧でしょうね。でも、こうした咄嗟の智慧は日頃の脳トレに関わりがあるのではないでしょうか。柔軟な思考がバネとなるようです。

  6. 「適度な貧乏が良いアイディアを引き出す」と先般 JAXA名誉教授で「はやぶさ」で有名な「的川 博士」の講演でお聞きしました。納得です。森兼さんの事件も崖っぷちと言うのは 少々大げさと思いますが限られた予算範囲で解決しようとした結果の成果と思います。将に「窮鼠猫を噛みましたね」

    私も現在一寸した難問に直面して現在思案中です。それは先週の日曜日「水田の排水用」の65φ長さ約100mの地中埋設のパイプの掃除をしまして、掃除用に挿入したホースを抜こうとしましたが、ホースが途中で引っ掛かり抜けなくなりました。抜けなくなった原因は多分(多分は中が見えないので推定です)ホースの接続に使ったカプラーの縁がパイプの継ぎ目に引っ掛かってしまっている物と推察しています。
    抜こうとして、ホースを捻ってみたり挿したり抜いたり色々してみましたが 抜けてきません。
    パイプの全長が100mも有り挿入したフォースは約35m程度で終端まで出すには約70mもフォースを足さなくてはなりませんでその費用は相当になりますし、仮にフォースを継ぎ足しても終端まで詰まり無しで素直に通過する保証も有りません。現在幾つかのアイデアを使ってこの週末に再チャレンジします。
    不安でもありますが、成功の喜びを期待し 待ち遠しい気持ちとで後3日待ちます。

  7. ふふふ・・・・・
    森兼さん、崖っぷちからのご帰還、おめでとうございます~♪
    なんて!
    でも、崖っぷちに立つ覚悟をするなら、一緒にこのユーモアも持っていかなければ、
    落ちて終わり・・・
    なんてことにもなります。
    それは避けなければなりません。
    私の場合、崖っぷちに立つことばかりしてきたので、
    今では、わざわざ崖っぷちに立ったりします(笑)
    今も、まさに、たっている状態・・・・・。
    遥かかなたの地上を見て、途方に暮れています。
    この場合は、上から下を見ている感じ。
    では、下から上の崖の頂上を見上げているならどうでしょう。
    きっと、見下ろしている時と、見上げている時では、
    それぞれの場所にたどり着く方法を変えなければならないでしょう。
    自分は、見下ろしているのでしょうか?
    見上げているのでしょうか?
    パラダイム転換を使ってみます。
    どこかに、気づいていない何かが転がっているかもしれません。
    それを見つけさえすれば、あの遥かかなたへたどり着ける方法が分かるかもしれません。
    きっと、このヒントは、すごく近くにあるのです。
    今の自分には見えていないこのヒントを見つけなくてはなりません。
    願いと集中。
    !(^^)!

  8. 崖っぷちに立たされた人は
    普段以上に真剣になります。

    崖っぷちに立たされた人は
    普段以上に頭を使って考えます。

    崖っぷちに立たされた人は
    普段以上にたくさんの行動を起こします。

    既に追い込まれていますが、万策尽きた感じです
    この人生を諦めて、死ぬというのも一考なのかも

  9. 私も昔に、狭い隙間に部品を落とした時に、長いピンセットでも届かなかったので、6mmのステンレスパイプの先を少し曲げ、ガムテープを巻き付け、粘着を外側にして、部品を回収した事があります。

    花ちゃん さんへ:ホースを捻っても手元近くしか捻れず、カプラは回らないと思います。
     カプラの縁がパイプの繋ぎ目に引っ掛っているのなら、繋ぎ目のところを(掘り起こして)下から叩いてカプラを躍らせ、同時に引き抜いてはと思います。
    他の原因の推定ですが、ホースから水を出しながら掃除をした場合、堆積物が向う側でなく、手前側に戻ってくる途中で詰まった可能性はありませんか?その場合は水を出しながら、ホースを押し引きして、揺さぶりをかけるのも手かもしれません。    ご健闘を祈ります。

  10. 大学受験を控えて今まさに崖っぷちです

    もっと行動(今ならば勉強)をしないといけないと思いました

  11. どうしても崖っぷちを経験したくない場合は、ダンケネディのように「最悪の事態」を想定して手を打ち、最悪の事態を逃れる。
    でも実際、ダイヤル番号を知らされていないという事態を想像することは、かなり難しいですが・・・。

  12. 崖っぷちの思考

    成功者は、失敗を経験している(成功へのテストの連続の一つではあるが・・・)

    きっと崖っぷちで何かを掴むのだと信じる。

    成功への飽くなき探求が、崖っぷちで究極の何かにぶち当たるのだろう!

    たゆまない努力と成功への飽くなき探求が光明をもたらすのだと思う!

  13. つい~~”一気”に拝読…更に?大変だったでしょう?
    時間的に?どれ位…かかったのかしら~~ン? -->連想して^^
    でも!結果的には、よかったですネ!! ^^

    私も…実は似た体験…在りま~~す。その時は…必要以上に『智慧』…を?
    クリアーした時の、精神面は当に!!爽快そのものですネ! 安堵感!!

    さて…『崖っぷち』
    難局に当たる…現状況!!取り返しがつかないぎりぎりの状況でも…
    人は…無限力ーー>そこの底なる『パワー』が… ^^
    必ず!!潜んでいる…。-->『出来る』という強い意志力!!
    そこに…ふと『直感力』が…考えられないくらい~『アイデア』が無数に沸き出でて?

    その目標設定に向かう途中に於けるぎりぎりの”崖っぷち”ーー>現時点><
    その瞬間は、パニック状態?? しかし此処で『心よ静まれ~体よ静まれ~』
    想念しながら…『精神統一』ーー>『集中…!』ーー>『行動』
    だからこそ…その人の『無限力…』が沸き出でて…来るのでしょうネ…!

    此の事は、全てに於いて『魂の向上』に繋がります…ネ!
    そして、それはその人に取りまして…達成出来る?からこそ…与えられた事なのでしょうネ

    ありがとうございます・・・。 本日の”アドバイス”     (SAKURA …)

  14. 面白いです^^

    こういう困った時の話しって、後で役に立つし 楽しい

  15. 確かに人はがけっぷちに
    たたされないと
    自分の普段使わない頭を
    フル回転させることは
    ほとんどありませんね

    私ももっと自分を追い込んで、
    自分の価値を高めていこうと
    思います

    自分まだまだ本気ではないと
    感じることが多々あるので…

    ありがとうございます

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