「信頼残高」

From 杉本

随分昔のことですが、
6週間のアメリカ出張で、
娘たち4人に、お土産と思って、
奇麗な、よそ行きのドレスを、
何着も買って帰りました。

ところが、お礼の言葉はもらったものの、
いっこうに、それを着ている様子がありません。

いつまで経っても、
値札がついたまま、
吊ってあります。

私はがっかりしたと同時に、
せっかく買ってきたのに、
なぜ着ないのだと、憤慨もしました。

妻はその気持ちを、察したらしく、
私に、子供たちはドレスよりも
普段着る、カジュアルなものが欲しかったみたい
と言ってくれました。

7つの習慣独特の言葉の1つに、
「信頼残高」というのがあります。

信頼残高とは、
ある人間関係における、
信頼の度合いを表す、比喩表現です。

信頼残高にも、
「預け入れ」と「引き出し」があります。

「預け入れ」は、人間関係において、
信頼を築くことや、修復することであり、
「引き出し」は、信頼を失う、
もしくは低下させることです。

次に挙げることは、
あなたにとって、
「預け入れ」になるのでしょうか?
それとも、
「引き出し」になるのでしょうか?
または、「どちらでもない」のでしょうか?

1.    仕事の進捗を聞きたいからと言って、ファーストフード店に誘われた。
2.    仕事で、間違っている点を指摘された。
3.    2〜3日遅れで、誕生日カードが送られてきた。
4.    ずっと残業だから、気晴らしにと言って、オペラのチケットをくれた。

いかがですか?
ある人は、ちょっと気分を変えるために、
外に出て話ができたということで、
ファーストフードでのミーティングを、
喜ぶかも知れませんが、

別の人は、どうせ誘うのだったら、
もうちょっとましな所にと、思うかも知れません。

オペラのチケットをもらって、
自分に関心を持ってくれて、
ありがたいと思う人も入れば、
自分の好きな趣味を、
押し付けてもらいたくないと、思う人もいます。

自分は「預け入れ」だと思っても、
相手はそう思わなければ、
何にもなりません。

相手が「預け入れ」だと、
思ってもらうことが、
本当の「預け入れ」になります。

本当の預け入れをするために、
しなければならないことは何でしょうか?

それは、相手の話を聴くことです。
相手を知ることがまず必要です。

相手を知って、相手が大切に思うものを、
尊重してあげることが大事です。

一般的に、私たちは、
自分のパラダイム(ものの見方、考え方)を通して、
他人の行動を解釈します。

これはきっと相手に喜んでもらえると
思い込んで、それを行なってみます。

ところが、その努力を、
預け入れとして認めてもらえないとき、
自分の善意が拒否されたと感じ、
預け入れの努力をやめてしまいます。

私は、こんな奇麗なドレスだったら、
娘たちは、きっと喜ぶに違いないと、
勝手に思い込んだのです。

もっと、彼女たちが今、
どんなものが欲しいのか
コミュニケーションを取っているべきでした。

信頼残高の預け入れについて、
貴重な経験ができて、
良かったと心から思いました。

杉本恵洋(すぎもと しげひろ)

PS. 信頼残高は、相互依存のパラダイムです。
7つの習慣で言う、公的成功にとって、大切な考え方です。
ぜひ、ここから学んで頂きたいです。
https://www.nextleader.jp/the7habits/freevideo/thanks.html

10 thoughts on “「信頼残高」

  1. 年末年始に施設にいろんなものが送られたりした事件がありましたが、それと一緒ですね
    いまも、被災地に手当たり次第に送りつけているのがいますが、厄介ですね
    小さな親切、大きなお世話ということが当てはまりますね

  2.  思い込みによる押し付けは「ありがた迷惑」と表現してもいいでしょう。
     しかしこのお話は、別の教訓も与えていると思いますよ。
     他人から見て実際に良い結果をもたらしたとしても、受け取った人自身は誰のおかげかなんて忘れていたり気にもしていない場合も多く、せっかく何々してあげたのに、と損した気分になったりして、結局、人とのコミュニケーションを損得感情(預け入れと引き出しの計算)でやっている自分に気づかされて、嫌な気分になったりもします。
     そもそも、人を喜ばせようなどと強く願いすぎることは、他人の感情をコントロールしたいという無理な発想から来ているのではないでしょうか。「喜んでくれると幸い」「お役に立てれば御の字」くらいに考えて、相手がどのような感情を持つかを限定的に想定しないほうがいいとも思います。
     自身を振り返ってみて、この点、気をつけなければ…と思います。

  3. 親が子供に、とか
    上司が部下に、とか
    経験豊富な人が「よい」と思いこんだものをプレゼントする時、それは時として喜ばれません。
    プレゼントする時、一番結果がよくなるには、プレゼントする人が欲しいものをあげること!
    でも、サプライズなプレゼントの場合、日頃のマーケティングが必要です。
    ~~~ある思い出があります。
    私が年頃の頃、親が綺麗な刺繍のTシャツを買ってきてくれた時がありました。
    でも、私は、素直に「ありがとう」と言えませんでした。
    なぜなら、その時、信頼残高がとても少なかったからです。
    その時の私にとって、必要だったものは、お金でした。
    友人達と、せめて同レベルになれるためにお金が必要だったのです。
    その素敵なTシャツも気にいったのですが、
    その時は、そのTシャツ分のお金の方が、私には必要だったのです。
    親は私の態度を理解できず、怒っていました。
    でも、私はその訳を言うことはできませんでした。
    好意を踏みにじることになることも分かっていたけれど、自分の気持ちの持っていき場も
    自分で落ち着かせることはできなかったのです。
    それまでの信頼残高が多ければ、この時、本心を言うことができたかもしれません。
    でも、言っても、結局、親の判断や常識を押しつけられるのであれば、
    言っても仕方がないのです。
    このような気持ちになっていることは、信頼残高がないということですよね。
    ただ、今は、「人の心理」を学び、その仕組みをある程度理解することができたので、
    プレゼントされたものは、その「もの」がどうあれ、その行動をありがたく思うことができるようになりました。
    気持ちがなければ、プレゼントをするという行動には結び付かないからです。
    だから、娘からの心のこもった形の整わない絵なども、私にとっては宝物です。
    そのプレゼントを渡してくれる時の娘の恥ずかしそうな、でも得意な感じの笑顔は、
    お金などに変換できるものではありません。
    娘からもらった「信頼」を、私は何で返すべきか・・・・・
    それを考えながら、日々、娘と接していきます。
    息子の場合も同じです。
    もちろん、主人も!
    そして、私を大切にしてくださる方々も!

  4. 今回のお話は、身につまされる内容でした。いつも失敗してる事かもしれません。
    相手の望むものを理解する事は、とても重要な事ですね。しかし、殆どの場合、相手の望む事と自分が相手に提供したいものが、かみ合わない様です。難しい~。
    それが一致した時にお互い幸せに感じるんでしょうね。
    でもたとえ自分が相手にとってふさわしい提供が出来なくても、相手の必要を理解する事が
    先決なんでしょうね。勉強になりました。

  5. 異性へのプレゼントでも話題になる内容だと思います。
    サプライズ好きな女性が多いですが、サプライズのつもりが全くサプライズになっていなかったらアウトだし、プレゼントというのは本当に難しいです。
    「何が欲しい?」とストレートに聞くのも手ですが、誕生日なんて忘れているふりをして、当日、的確に相手の欲しいものを、しかもサプライズな演出で渡せたら、お互いにハッピーです。
    やはり日頃からよく話を聞いて、相手のことを深く知ることが一番ですね。

  6. 相互依存というパラダイムは、

    自立したもの同志でないとなりたたない!

    親子という関係を考えてみよう!

    子供を自分の所有物にしてしまう人は、

    子供を満足させることはないだろうし、

    子供も自分の欲求を満足させるより親が満足したところを観たいが為に自分を犠牲にしてしまい、

    Win Loseとなり、子供が自分で本当に目指したいものに目覚めさせる機会を先送りしてしまう!

    普段からのコミュニケーションは、前提条件だろう!

    相手の信頼を得るには、

    まず、相手を否定しないこと!

    相手の話を聴くこと!

    相手を理解すること!=理解してから理解される!

    これらのことは、本に書かれていることだが、

    理屈でわかっていて実践できないのは、

    心というものがある!

    喜怒哀楽!

    人は、大人になっても、子供と同じで感情をコントロール出来ないで的確な対応を出来なかったりする!

    相手を変えることは、出来ないが、自分を変えることは出来る!

    これをするには、ある程度、心の余裕がないと難しいと思う!

    自分の考えていることを書いてみたりして、それを後で読むと、自分の内面を客観視できたりする!

    日ごろの訓練がいる!

    また、相手とした約束をきちんと果たすという習慣づけやスケジュール管理が必要だし、

    コミュニケーションテクニックを要することもある。

    相手とした約束のため、他からの誘いを断ったりしなければならない時もある。

    そうすると断った他の信頼残高がないと、次から誘われなくなってしまうこともありうる。

    これには、どういった言葉を使うかとかによっても変わってくる。

    また、付き合う人も限られてくるだろう!

    信頼残高の高いもの同志なら、子供との約束があるからということで断る理由も理解してくれるだろう。

    仕事に追われている人は、こんなことを考える余裕すらない人もいる!

    この読者の中では、そういう人はいないと思うが・・・

  7. 『一般的に、私たちは自分のパラダイム(ものの見方、考え方)を通して、
    他人の行動を解釈します…。』
    『これはきっと相手に喜んでもらえると…思い込んで…?行動へ…』

    銀行口座の??預け入れとして認めてもらえる?もらえない時?…
    一番ベースとなる…『コミュニケーション!!』
    そうなのです~~ョネ!!

    夫婦間…親子間…他人同士…に於いても?
    喧嘩・自分勝手な振る舞い・思い込み・相手を脅したり・
    相手の生活をこちらの意のままに…『当然!信頼残高は不足…』

    ふと!過去の出来事~~^^
    私の場合…『信頼残高~~~残り少な~~イ><』この状態が
    しばしば…>< 信頼レベル○○??
    『星の王子様』・『父親』・『母親』…プレゼント??
    今振り返りますと…反省しきりです。!!

    此の『信頼残高を、高めるために』…人格形成を…
    コミュニケーション…の大切さ!!
    相手の事を大切に思うならば…相手を理解する。
    まず!!人からされた~~いと思う前に自ら人にする。
    『与えよ さらば与えられ~~ん!!』

    信頼残高…アップ!! 大切な『気づき』 ありがとうございます…。
                         (SAKURA…)

  8. 子供の頃、読んだ小説に「5歳の息子とは、友達である」と
    父親のフレーズが脳裏にやきついていて、
    自分の子供にはそんな付き合い方ができればと考えていたことをふと思い出しました。

    しかしながら、自身のレンズやフィルターの掛け違いを「離婚」して気づきました。
    きっと元奥さんの私に対する信頼残高が、地中に潜ったマイナス残高だったのでしょう。
    息子とも「友達」を今果たせてません。

    皆様のコメントを拝見して、個人的な感情で裁く自分があること。
    しかし繰り返し読むことで、裁いている自分に改めて気づいたこと。
    テーマに対するコメントは、大切なことを素直に認識しました。

    一つだけ、想うことがあります。
    信頼残高の蓄積も大切ですが、残高につくおまけが

    「プラスの引き寄せ」ではないかと・・・

    今年の私が掲げているテーマは、「感謝と受容」です。
    お陰様で、また大人に近づけました。 有難うございます。

  9. 喜ばせてあげたい人がいるなんて幸せですね。
    私は、自分が喜べば満足というまだまだ修行中の身です。
    家族は勝手に喜んでくれます。
    自分で喜べない人がまわりにいないかも・・・

  10. 結果自己満足となるのではなく、
    本当に相手が望んでいるものを
    見極め、それを実行に移す

    そのためには普段からの
    コミュニケーションが大切に
    なってきますね

    信頼を築こうと行動するのではなく、
    本当に相手のためにしてあげようと
    思う気持ちと行動から
    本当の「信頼」とは生まれてくるのだと
    改めて実感しました

    ありがとうございました

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