職人の口癖

マイケルE.ガーバーが実施したドリーミングルーム最中のお話。

ある女性の参加者がビジネスに問題を抱えていました。
その女性は弁護士として開業しています。

彼女のクライアントは複数いて、それなりの仕事には
なっているのですが、大きな問題がありました。

それはクライアントが、何か法的なトラブル、たとえば訴訟に
巻き込まれたときなどにだけ、彼女に仕事を依頼してくるということです。

弁護士なので、それは当たり前だと思うかも知れませんが、
彼女はそうは考えていませんでした。

ビジネスオーナーにとって、常に法的なアドバイスをしてくれる
弁護士を雇っておくことは、非常に重要だと考えていたのです。

つまり、彼女はクライアントとの定期的な顧問契約を
もっと獲得し、ビジネスを安定させたいと考えていたのです。

もちろん、そのための営業活動はしていました。

クライアントであるビジネスオーナーに対して、
法的アドバイスの重要性を説いて回っています。

しかしながら、クライアントはなかなか納得してくれず、
契約まで至らないケースがほとんどでした。

さて、ガーバーは彼女にどのようにアドバイスをしたのでしょう?

——————————
ガーバー:あなたは典型的な職人的ビジネスをしている。
クライアントが顧問契約を結んでくれない理由は何だと思いますか?

彼女:顧問料を支払う余裕が無いためだと思います。


ガーバー:私の経験から言って、それは大した問題ではないですね。

あなたが言っているのは、

”I can do it.(私はそれが出来ます。)”

という典型的な職人のセリフなのです。

彼らが契約を結ばない、最も大きな理由は、
あなたのメッセージが、自分に焦点を当てており、
クライアントに焦点が当たっていないからです。

つまりは、あなたが彼らが抱えている、
最も重要な問題を解決していないのです。

彼女:でも私は彼らに訴訟が起こったとき、
彼らの問題を解決していると思います。

ガーバー:あなたのビジネスが、彼らの最も重要な問題を
解決できる能力を持っているかどうか、私にはわかりません。

ビジネスオーナーや起業家にとって、法的な問題というのは、
あまり意識したくない分野です。

したがって、少なくとも、彼らは、あなたのことを最も重要な問題を
解決してくれるアドバイザーだとは考えていないことです。

最も重要な問題を解決できれば、彼らはお金を払います。

あなたは通常の弁護士的な仕事という枠を超えて、
クライアントと接する必要があります。

——————————

というやり取りです。

”I can do it.(私はそれが出来ます。)”

という専門職としてのプライドが
職人的ビジネスにはまる要因になっていたというわけです。

さて、あなたが市場に対して発しているメッセージは、

”I can do it.(私はそれが出来ます。)”

という職人的なものでしょうか?

または彼らの最も重要な問題を解決するものに
なっているでしょうか?

– 清水直樹


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21 thoughts on “職人の口癖

  1. 言葉としては納得できましたが、心から理解できたかどうか…
    でも、とても大事なことだというのは感じました。

  2. 今日の内容は、感動モノです!!!
    今の私があるのは、この「職人的ビジネス」をしない人に出会ったからです。
    私のメンターである人は営業マンでありながら「職人的ではない」と、お客の私には感じたのです。
    ですが、これこそが営業マンの「プロ」だったのだなぁ・・・と、今なら分かります。
    職人的になられると「だから・・・」と突っぱねてしまいたくなる私・・・ひねくれ者なのです。
    そして、そのような人が多い中、職人的ではない「できる」職業人に出会うと、引き寄せられてしまうのです。もう、磁石のごとく・・・。
    たいてい、そのような人は仕事の話以外のことでもレベルの高い人格者ですね。
    だから、そのような人の発信することには、耳を傾けるようになるのだと思います。
    「耳を傾ける」ということは、セールスであれば「購入」という行動により近づくということです。
    その積み重ねにより信頼関係ができれば、きっと、もうその消費者は他の人から類似品を買わなくなるでしょう。
    だって、また同じように信頼関係を構築することは骨の折れることですからね。
    「私はこれができるのに」
    ではなく
    「この人は何を求めているのだろう?」
    と考えた方が、必要とされ、結果的に提供物が購入されるということですね!

  3. 本当にできる人は、できるかどうかわからないというのが普通ですね

  4. 顧問弁護士 確かに会社で契約して何かと相談できる事はいいと思いますが、顧問料かなりの額になると思います。小企業で単独で契約も難しいと思いますが、業種、流通段階で利益相反にならない企業数社で
    契約するのも一つの方法かも、、

  5. これこれ。

    あなたが『出来るかどうか』なんてお客様は聞きたくないんだ。
    自分も含めて、これに気が付かないでどれだけの人が損をしている事か?

    『職人』って・・他人事だと思うでしょ。
    大工から始まって弁護士までクライアントから見たらみんな『職人』だから。

                       :元大工のWEBコンサルタント

  6. 彼女の仕事は裁判に勝ことではなく、顧客が訴えられない事、又は訴えなくとも済むようにする事。つまり、顧客が無駄ななエネルギーを浪費することなく、顧客本来の集中させてあげる事、ですね。

  7. そうなんですよね。ついつい売り手目線で語ってしまうことってありますね。
    職人に限らず。

    セールスマンだったら、商品の特徴ばかり話してしまうのも、
    顧客目線になっていない証拠ですね。

  8. 相手の気持ち、その時の状況を
    理解しなければ、
    結局は独りよがりになって
    しまうのですね

    自分本位ではなく、
    相手の立場に立って
    物事を考えていく

    それが顧客との関係を
    強く結びつけるのですね

    ありがとうございます

  9. おはようございます。

    酒林ゆきさんは
    「突っぱねてしまいたくなる」と
    コメントしておられますが、
    私は「突っぱねて」しまいます。(大苦笑)

    私にはできる、というメッセージが
    出てこないのも不安になりますが、
    先に出されるのも面白くない・・・。

    どちらの立場になっても、
    気をつけようと思います。

    ありがとうございます。

    1. uezonoさま
      たまたま話しかけてくださっているのを見つけました!
      ちょっと、コメント欄では謙虚に言ってしまいましたが
      ここだけの話・・・実は、私もかなり厳しく突っぱねます(笑)

  10. 自分が重要と思っていることが、
    必ずしも相手のニーズに合っているわけではない

    自分の価値観を他相手に押しつけても、ほとんどの場合は理解されることはない

    職人=自己中心的な価値観と捉えれば、

    相手の価値観にどの程度応えられた働きをしているのか
    いや、それよりも、相手の価値観をどのくらい尊重できているかということが大事
    ということでしょうか

    相手の価値観の尊重というのは、
    カウンセリングの基本原則として求められる態度と同じだと思いました。
    ほかにも条件はありますが、これらによって二者関係によい変化が生まれると考えられています。

    私も自分の専門対象を早くから絞ることで、
    私にはこれができます!というのを主張できるようになろうと考えていました。
    しかし、普通に考えて、そのことが相手のニーズにあっていなければ無用の長物です。
    そこには相手のニーズに応ようとする姿勢がかけていました。

    自分の価値観だけで動くのではなく、相手の価値観を尊重し、
    折り合いをついてこそ、
    特定の相手に縛られないwin-winの関係を作れるということだと思いました。

  11. 独立して1年、今日初めての顧問契約を獲得しました!
    タイムリーな話題に驚いています!!

    これからも毎日クライアントの事を考えて、何を求めているのか、
    相手の立場で創造していきます!

  12. 「私にはそれが出来ます」
    これを的確に伝えればいいわけですね。
    例えば。
    『パワハラで悩んでいる人』がいる。
    『労働事件に詳しく、私にはそれを解決できる実力がある』という法律のプロがいるとする。

    『パワハラで悩んでいる人』に『私はあなたの悩みを解決することができる』と、伝えることができれば、『私にはそれが出来ます』という言葉が光り輝いて見えるはずです。

    自分の悩みが解決することに興味のない人はいません。

  13. I can do it.(私はそれが出来ます。)…
    職人的ビジネス…!!-->専門職としてのプライド…!!

    ■最も重要な問題を解決できれば、彼らはお金を払います…。
    君は通常の弁護士的な仕事という枠を超えて、
    クライアントと接する必要性…

    此の事は…顧客との関係は受身的…
    自分自身…相手の意図する事を…把握しようとか??おそらくないのかも??
    ビジネスは顧客がいる事が?『前提…!!』

    更に、商談として成立に至るには…
    その顧客のニーズを…一歩踏み出し…公私にわたり考える事

    その事で、逆にコミュニケーションが深まり…
    --> 『プラスメリット・・・』

    本日の『アドバイス』 ありがとうございます…。 (SAKURA…)

  14. 仕事がら、カリキュラムをこなすということに
    考えが向かいます。しかし、実際は
    事前に、もっと自分と向き合うシミレーションが
    必要だと感じました。
    受講生が大勢いる中で、一番見られている
    存在だと、感じました。
    かなり、深い思いで取り組まないと
    大勢の方を不幸にしてしまいますね。
    受け止めて、しっかりと段取りと
    観察しながら、今後取り組んでまいります。

  15. どんな分野に身をおいていても
    「商人」

    にならなきゃいけないということですね。

  16. ダイレクト出版さんの皆様に、ちょっと見ていただきたいものがあって、こちらに書いています。
    7つの習慣№1のDVDをご紹介させていただいたのですが、子育て中の方々に向けての文章にアレンジさせていただきました。
    よろしければ、見てください。
    http://sosakushitu.at.webry.info/201106/article_6.html

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