システム化されていない価値

こんにちは、清水です。

昨日、私たちのプログラムに興味を持たれた方から
鋭い質問をいただいたので
それにお答えしたいと思っています。

その方は独立して、某ニッチな業界に対する
コンサルティング業を営んでいらっしゃいます。

経験が豊富な方で、いままでほぼ口コミで
クライアントがやってきてくれているとのこと。

そして、専門的な業界であり、コンサルタントといっても、
がっつり中に入り込んで改革をもたらすような仕事だそうです。

そのため、契約単価は高いですが、
同時並行で契約できるのは1社か2社。

という状況です。

そこで質問。

”手前味噌ながら、他の人には出来ない、
価値を提供していると思っています。

ガーバー氏の思想は、ビジネスをシステマチックに
効率的に動かすということで、ある意味、理解できます。

しかし、私のように、特殊なサービスを提供している場合、
この非効率さと言いますか、人間臭さが
求められているような気がします。

システマチックに今のサービスを提供する
という発想にどうしてもならないのですが、いかがでしょうか。”

といった内容です。


システム化されていない価値

質問の内容は、とても理解できるので、
どう回答しようか一晩、悩みました。

この方のようなコンサルティングサービスのみならず、
もの作り国家日本には、素晴らしい職人ビジネスが
たくさんあると思います。

私も地元の商店街に行けば、
”○○おばあちゃんが作ったお団子”
のようなお店で繁盛しているところがあります。

これも似たようなもので、

”システマチックに運営されていない”、

ことこそが繁盛している理由じゃないかと
思ったりするわけです。

それを踏まえたうえで、考えてまとまった
意見は次のとおりです。

職人的ビジネスの問題点

職人的にビジネスを始めた人、
または始めようとしている人、仮にAさんとします。

Aさんは、ビジネスが何であれ、少なからず、

”そのことについてはその他大勢の人よりも上手く出来る、”

という確信があってスタートします。
(もしそうじゃなかったら止めた方が良いでしょう。)

ということは、Aさんのお客さんは、他の人のところに行って
サービスを受けるよりも、Aさんのサービスを受けた方が
より優れた結果を得られ、幸せになることになります。
(もしそうじゃなかったら、いずれにしろ潰れるでしょう)

さらに、ということは、Aさんのお客さんが増えれば増えるほど、
世の中には幸せな人が増えることになります。

ところが、Aさんが職人的ビジネスをしている以上、
対応できるお客さんの数には限界があります。

すると、Aさんが職人的ビジネスをしていることが原因で、
本当は助けられるかも知れなかったお客さんを
助けられないことが発生することになります。

結論、本当の意味で社会に貢献するのであれば、
職人的ビジネスをしていては達成できないと考えるわけです。

もちろん、言い方は異なりますが、
上記のような意見を書いて
質問の回答をさせていただきました。

このテーマはいろんな意見があると思います。
でも今日、ぜひ考えていただきたいのは次のことです。

もしあなたが世の中の問題に気が付いて起業するならば、
もしあなたが既存のサービスや商品で
満たされていない人達がいることに気が付いて起業するならば、
もしあなたのお客さんがあなたの商品やサービスに喜んでくれているならば、
見知らぬ場所で、見知らぬ人が、あなたのことを待っていると思うのならば、

あなたが四六時中考えていなくてはならない質問は次のとおり。

どうすれば、いま提供していることを、2倍でもなく、3倍でもなく、
100倍、1000倍、1万倍の人に届けることが出来るだろうか?

– 清水直樹

P.S
あなたのビジネスをより多くの人に届けたいならば、
まずはこちらのレポートを読んでみて下さい。
http://www.nextleader.jp/gerber/

18 thoughts on “システム化されていない価値

  1. 職人的ビジネスは悪いことではありません。
    むしろ、職人としての誇りは、たとえ規模が大きくなっても持ち続けなければならないものです。
    システムに管理されるようでは、それは本物とは言えないように思います。
    そして、人それぞれ職人的ビジネスに向いている人、システム化されたビジネスに向いている人、また、その中間。
    など、いろいろな分野で力を発揮すればよいと思います。
    ただ、全ての人が職人的ビジネスをしていては、社会を動かすことはできないことも事実だと思います。
    だから、たとえ、最初は職人的ビジネスをしていたとしても、学んでいくうちに自分の資質に気づいたり、意識が大きく成長するのであれば、システム化したビジネスを目指さなければならないと思います。
    このような、世界を市場にしたビジネスを展開するリーダーが、今の日本には必要だからです。
    日本人の良いところは、職人的な気質があるところ。
    でも、欠けているところは、プラス的「うぬぼれ」のなさではないでしょうか?
    スポーツ界は変化してきていますよね。
    謙虚な選手より、どちらかといえば自分の意思をはっきり示す選手が入賞しているような気がします。
    ビジネス界でも、この変化が求められているのではないでしょうか?
    そう、そして、私の日常である子育て界も、同じだと思っています。
    早期教育の意味を取り違えている保護者が多いような気がしてなりません。
    もっと、世界を視野に入れた子育てが、これからは求められてくると思います。
    1万倍の人へお届けすること~~~私の夢ですね♪

  2. やはり、自分のノウハウを公開して、人を育てるべし、ということでしょうか。自分だけのノウハウを公開するのは、本当に勇気にいることでしょうが、そうやって自分の分身を作らない限り、100倍、1000倍は望めないような気がします。

  3. 自分の携わっている価値を、どれだけ多くの人に提供できるか?を、追求していきます。ありがとうございます。

  4. 私もどちらかというと個人技で仕事をしております。今、ぶつかっている壁が一人では限界があり顧客が増えるとサービス提供に問題がでてきます。人を育てて 分身を増やす方法 システム化する方法等いろいろ考えていますが難しい問題もありどれも進展しておらず現状をずるずる進んでるという状況です。システムを構築する前のシステムが必要ではないかと最近思います。自分が何を求め、どうしていきたいか。それが顧客も満足できるかがカギになるのではないかと思います。日々考えて考えていろんなものを試しながら中長期的に限りなくベストな状態をイメージしていきたいと思います。ありがとうございました。

  5. 生の声、体験を通し、ニッチな業界に携わるニッチな人たちをそだて、より多くの人々の目に触れる業界に育てることもありだと僕は感じました。手法はあくまでも手段で、目的ではないですし、時期やタイミング、想いによって選択すれば良いのではないでしょうか?

  6. ビジネスを拡大させたいのなら、
    システマチックに行わなければならない

    確かにその通りですね

    ただ人と人が行うという根底から考えると
    人間臭さのおかげで成り立っているというのも
    事実としてあるのですね

    こういったギャップをいかに克服するかが
    ビジネスを深く広くしていくのでしょうが、
    改善案を出すとなるとやはり難しいですね

    ありがとうございます

  7. ニッチだからこそシステマチックに価値が出てくるのでは。
    自動車業界だって初めはニッチだったでしょう。
    すべてはニッチから始まっています。
    ニッチをシステマチックにして広げた人が莫大な富を築いているように思います。
    その職人技をどれだけ簡単にしてたくさんの人に教えられるか。
    そして、業界自体を広げていくことが自分の利益になるのかな。
    たくさん与えたらたくさん与えられるということですね。

  8. 参考になります。どんな小さな作業にせよ毎日個人で作業を行うと、何れ職人技になりがちです。私の会社は小さな小売業で、従業員と同じ現場で私も働いております。しかし何時もクオリティーを下げずに人に引継ぎするイメージを持ちながら作業を行ってます。時間のかかる事かもしれませが、そうやって自分の時間を作り目標に邁進しなければ会社はどんどう衰退していきます。

  9. 職人的な人ならそれを伝播していき、同じことができる人を増やすに限るのではありませんか?
    私にはそんな技術もありませんし、ただ、文書を書くくらいしか出来ることはありません
    それで何ができるかといっても、ないというのが現状でしょう

  10. 清水さんの言われる事は、
    こちらのメルマガのサブタイトル通り、
    「Nextリーダー」の為の内容になっているかと思います。
    私自身も、美容師という職人達と共に仕事をしております。
    また、技術的な面でも、全国では数件しか出来ない事に取り組んでおり、
    働いている皆、誇りを持って仕事をしてくれているとは思います。
    ただ、数字(売上)を持っているのが
    店長だけとか、カリスマ美容師だけでは、
    経営者の立場で考えれば、どこの美容室と変わらず同じという事になってしまいます。
    会社の存在意義の大きな一つに、「社会貢献」があると思います。
    「経営者目線」と「社会貢献」・・・
    今の特殊なサービスを・・・
    より多くの方々に提供するには・・・
    「システム」は重要だと思います。
    —「経営者の仕事は、システムを考えること」—

  11. 職人気質は、日本人の長所でもあり短所でもあると思います。
    職人技は修行(時間をかけて秘訣を自分で発見して行く)を通してしか身につきません。
    これは究極の技・秘伝が身につくという長所はありますが、
    それに挑戦する人の大半を脱落させるため、
    社会全体に恩恵が行き渡らないという決定的な短所があります。

    こういった職人制度の短所を補うのが教育制度。
    秘伝を言語化・細分化して教育体系としてまとめ、
    究極とまでは言えないが平均的に使える人材を育てる「修行のシステム化」です。
    つまり教育とは職人を丸ごと1人育てるシステムではなく、
    レベルに応じて必要な知識と技能の基礎を与えるシステムなのです。
    この違いを認識している人は、まだまだ少ないようです。

    分かりやすい例が学問の世界です。
    小中高校で学者になる人はいません。そんなものは目指していないからです。
    大学レベルで初めて専門を意識できるレベルに到達します。
    そして更に極めたい人は大学院へ行き、職人(研究者)を目指す人は大学に残るか、
    民間の研究所に所属してその道の専門家になります。
    中には一匹狼として活動する人もいるでしょう。

    ある分野の黎明期には、その分野に関する知識が体系化されていないため、
    少数の専門家による職人的サービスしか提供できません。
    それを社会に広く提供するためには、どこかでシステム化する努力が必要です。
    つまり教育体系を創ることが発展の最低条件なのです。

    職人的プライドは悪いことではありませんが、
    それなら目の前の仕事に集中するのが顧客と本人の双方にとって幸せというもの。
    間違っても「その分野を改革する」みたいな野心は持たない方が良いと思います。
    どちらも中途半端になって衰退するのがオチです。

    改革するなら、職人という「看板」を捨てる覚悟で。

  12. この内容は、かなりレベルの高い気づきが得られた方
    きっと多いのではないでしょうか。

    良い刺激になりました。
    感謝しております。ありがとうございます。

  13. 難しい問題だと思います。職人芸が悪いわけではないですから。

    ものづくりでも、そばでも、ラーメンでも、こだわりや頑固な職人芸が「売り」の場合があります。

    それぞれの地域や職業の特質。もしかしたら、その人の仕事に対する考え方や生き方にまで発展しそうなテーマです。

    簡単に答えを出すこともないと思います。

    「自分の音楽」「自分の文学」「自分の絵」など、芸術家の追求は一生続くのが当たり前だし、それだけ「仕事」というのは一概に語れない深いものだと思います。

  14. 以前、テレビで、「究極のフランス語の先生」というドキュメンタリーを見た事がありました。

    この先生の語学の教え方は素晴らしくて、少数グループの生徒達を、円状になるように椅子に座らせ、ノートもメモも取らせず、質問→答え→質問→答えをスピーディーに繰り返し、その場で生徒に語学を身につけさせてしまうのです。

    まったくフランス語ができなかった生徒でさえ、この方法で、8時間後には、フランス人と会話ができるほどに上達してしまう、、という、まさに「魔法の教授法」です。

    この教授法は、大変素晴らしいのですが、最大の欠点は、「この教授法は、この先生にしかできない事」。

    この先生に教えてもらうため、生徒は高いお金を払って、ウエイティング・リストに乗せてもらって順番を待ち、やっとの事で、先生に教えてもらうのです。

    先生が一人で教える事ができる人数は限られています。どんなに頑張っても、何万人の人を一度には教える事ができません。

    この先生の特殊な魅力で生徒を引き込んで行くだけなので、教授法は何のシステムにもなっておらず、そのため、その教授法ができるようにするための教師の育成もしていないし、できないので、この先生が死んだら、この教授法もおしまい。

    一方、公文式は(公文を宣伝するわけではありませんが、私が以前、助手をしていたので、知っているだけです)、教授法が完全にシステム化されているので、その教授法に基づけば誰でも教えるようになれるし、その教材さえ手に入れれば、誰に教わるでもなく生徒はどんどん能力が伸びて行くのです。

    この方法なら、何万人をも一度に教える事ができ、教授法だけが一人歩きしているので、発案者が死んでも、教授法が一緒に死ぬ事はありません。

    「自分の食いぶちだけ稼げればそれでいい」のか、それとも「ビッグになりたい」のか。

    自分の目指す最終目標を決めれば、自ずと方法論も違ってくるのではないでしょうか。

    滝つぼ

  15. システム化されていな~~イ価値…!!
    もの作り国家=>日本には、素晴らしい職人ビジネスが…
    従来の一般的考え方…^^
    しかし?近年此の根本自体…崩れだしたような感じです~~ネ><

    確かに?他と比較しますと…
    スキルにも自信・顧客(マンツーマン式)に対してのサービス良い…etc
    しかし…マーケッティングとしては…?
    限られてしまいますし…利益率から申しますと…
    更に…従来の『日本人の考え方-->アピール…!』これは”控えめ”?
    やはり…>< やはり…>< -->私もそのような考え方が?

    しかし…『インターネット社会』…益々身近に感じますこの頃…
    此のメリット性を考慮しての行動を…!

    【どうすれば、いま提供していることを、2倍でもなく、3倍でもなく、
    100倍、1000倍、1万倍の人に届けることが出来るだろうか…?】

    此の事を…年頭にしっかりとしました…ビジネス展開へ…と
    但し知識はしっかりと、把握していくべきですが…^^只今進行中!
           【夢…膨らみ ^^】

    ありがとうございます…。 本日の『アドバイス』  (SAKURA…)

  16. 今回の配信、私自身の事業がまさにこういった職人的ビジネスなので
    大変興味深く拝読いたしました。
    機械のボタンを押せばすぐに万単位の製品ができるわけでもないし
    公共の電波に乗せて10万単位の人々にサービスを提供できるわけでもない。
    ただ目の前の1人のクライアントに対してのサービス(を提供する業種)だからです。

    これでメルマガに記されている
    >どうすれば、いま提供していることを、2倍でもなく、3倍でもなく、
    >100倍、1000倍、1万倍の人に届けることが出来るだろうか?
    という方向性を満たすには・・・・・

    今持っている技術をさらに高めたうえで、という前提がつきますが
    その技術を次の世代の若い人たちに伝えるビジネスを考えなくてはならない、と感じました。

  17. 職人とシステムって相反するイメージですから
    どちらかが強くなれば、もう一方は弱くなるのが必然のようです。

    例えば芸術って、システム的に製造するのは困難です。
    その人なりの感性で違ったものができるからです。

    人数を集めて真似させてみたり、機械で大量生産したものは、
    その人が創った本物とは価値がまるで違います。

    システムは、そういった意味で、効率はよくなりますが、
    やはり品質面で劣ってきます。

    要は、どこに力を入れるか、どういったものを創りたいか、
    どう売りたいか、の意志とバランスだと思います。

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