子供を叱る

しかる

from 杉本

時々、私の大好きなお話を、
共有させて頂いているのですが、
今日も、とっておきのものを
ご覧になって下さい。

「くたくたママが店から戻り、
買い物袋をかかえてキッチンへ入った。

待っていたのは八歳の息子。
弟がやったいたずらを、
しゃべりたくてうずうずしてた。

『ぼくは外で遊んでて、
パパは電話中だったんだ。
そしたらあいつがクレヨンで、
壁に落書きしちゃった。

ママが書斎にはったばかりの、
新しい壁紙にだよ。

そんなことしたら、
ママが怒るぞって言っといたよ。』

ママはうめき声をもらして眉を寄せた。
『あの子、いまどこ?』

ママは荷物を下ろして、
決然とした足取りで、
末っ子が隠れたクローゼット目指して、
歩いていった。

部屋に入ったママは、名字をつけて名前を呼んだ。
その意味がわかった末っ子は、
恐しさに震えあがった。

それからの10分間、
ママはわめき、怒鳴りちらした。

あの壁紙は高かったのよ、
せっかくお金を貯めて買ったのに、
元通りにするのはたいへんなんだから。

なんてことしてくれたの、
いたずらにもほどがあるわ。

叱れば叱るほど、
腹の虫がおさまらない。

ママはすっかり取り乱し、
部屋から大またで出ていった。

惨状を確かめようと、
おそるおそる書斎に向かったママ。

壁を見たとたん、目に涙があふれた。

読んだメッセージがダーツのように
心を貫いた。

ハートで囲まれた『ママ、大好き』

その壁紙は、ママが見たときのまま残っている。
まわりに、枠だけの額縁が吊るされて、
ママにとっての、みんなにとっての思い出の品。
ときどき足を止めて眺める、壁の落書き。」

バレリー・コックス
(だれもが奇跡にめぐり逢う~こころのチキンスープ16)

このお母さんの素晴らしいところは、
感情で叱ったことを、反省できたことです。

私が、まだ若いお父さんだった頃、
感情で叱ったまま、子供たちと仲直りを、
しようとしなかった時がありました。

子供たちは、辛かっただろうと思います。

それで、ある時から、子供を叱ろうとする前に、
「子供のやったことはOKではないが、
人間としてはOKなのだ」
と、
自分に言い聞かせるように、し始めました。

子供の人格を傷つけることがないように、
子供をしつけることが、
できるようになりたいと思ったのです。

そうすると、子供の間違った行いについては、
率直に、明確に指摘することができて、

子供は、しばらく嫌な思いをしますが、
そのあとで、
「行いは良くなかったが、君は良い子なんだ、

そして、お父さんは君が大好きなんだ」と言うと、
子供も、「お父さん大好きよ」と言って、
抱きついてくれます。

子供たちは、叱られたことを恨みに思うのではなく、
自分のやったことを、反省してくれるようになります。

でも、もっと驚くことは、
私に対して、小さな子供たちが、
同じことをするようになることです。

休日、だらだらしていて、
家の中の粗大ゴミのようになった私に、
「どれだけ、お母さんの掃除の邪魔になっているかを、
率直に伝え、反省させるために、しばらく間を置いてから、
でも、お父さんを、ゴミみたいに、外に放り出さないからね」

と言ってくれます。

粗大ゴミとして、捨てられなくて、
本当に良かったと思う、
今日この頃です。

育自コンサルタント
−自分を育てるお手伝い−

杉本恵洋(すぎもと しげひろ)

PS.
もし家族や周りの大切な人がやる気がなくて困っているなら
このプログラムを試してみてくださいね。
http://www.nextleader.jp/yoshinaga/yarukiseminar/

24 thoughts on “子供を叱る

  1. 今回のことは重要ですね
    頭ごなしにいえば、萎縮する
    これは、子育てにかかわらず、師弟関係、上司部下の関係でもいえることですね
    納得できなければ、やられた方には報復の芽しか残りません
    テロといったことも、恐らくはこういうところから来ているのではないでしょうか?
    2011年はそういうことを象徴した年になったのではないでしょうか?
    報復の連鎖は破滅しか生み出さない
    残り半年、それによって人類滅亡へ向かっていくことでしょう

  2. 杉本さん、素敵なお話をありがとうございます!!
    泣き笑いしながら読んでしまいました(;ω;)
    誰に対してもそういうスタンス
    (君のやったことはOKじゃない/好きじゃないけど、
    あなたは素晴らしい人です。
    私はあなたは大好きです!!)
    でいたいと思いました。
    ありがとうございます!!!

  3. 子供達と関わっていると、さまざまなエピソードが生まれます。
    とても些細なことなのに、その中に「原則」が潜んでいるのです。
    ただ、それに気づくことができる自分になっていなくてはなりませんが。
    私が、事業主の勉強を始めてよかったことは、この気づきの力を強くすることができたからです。
    専業主婦だけをしていたなら、今のようにさまざまなことに気づくことができなかったと思います。
    プラスの気づきを見つけたときには、とても幸せになります。
    ですが、ここで必ず付いてくるものが、その対極にあるものです。
    どんなことでも、つりあう何かがあるのだと思います。
    プラスの様々な事に気づくということは、マイナスの様々な事も気づいてしまうということです。
    この時、そのマイナスの気づきの解釈を間違ってしまうと、幸せになることはできません。
    幼い子供達は、恐ろしいほど原則を見抜く目を持っています。・・・というより直感できる!と言った方がよいかもしれません。
    それなのに、それを、言葉でうまく表現することができないので、大人はどうしても「分かっていない」と思ってしまいがちになります。
    この時、大人であるこちらが『傾聴』をすると、一生懸命頑張りながらこちらに伝えようとしてきます。
    まるで、外国人に話をするように身振り手振り、体全部を使って伝えてきます。
    このような関係(「この人は傾聴してくれる」と実感していること)を作っておくと、こちらからの一方的な誤解があった場合でも、その誤解に気づき謝罪したとき、子供達は心からの許しを示してくれます。
    これには頭が下がります。見習わなければなりません。
    「はたして、自分に、この『心からの許し』ができるのか?」と問うた時、難しさを感じます。
    でも、身近な先生がいるのですから、それをモデリングしていますが(笑)
    p.s.
    コヴィー博士の優しさは、ご本人からのオーラとして感じた場合、凄いのでしょうね!
    本からでも、あれだけのものなのですから・・・。

  4. 素直に感動出来ました。怒り方にも色々ありますね。参考にします。

  5. 感情をぶつけているときは「叱っている」のではなくて
    「怒っている」と解釈しています。
    こちら側の感情を持ち込まなず、相手の成長(または気づきのため)の
    注意(発言)が「叱る」です。このときにこちら側の怒りは存在しません。
    物語のママは、怒ったことを反省したのだと思います。

  6. 子どもが衝動的に盗みを働いた時など、
    おまえはいい子だなんて言えません。
    大声で叱るのみです。
    どうしたらいいでしょう。

  7. 涙を浮かべながら読ませていただきました。
    人間である以上、例え親でも感情的に子どもを叱りつけることはあると思います。
    しかし、そのあとにきちんと子どもに謝る、フォローするということが
    親子間の絆を深めていくコツなのだろうと私は考えています。

    子どもに対しても、素直に「げめんね」と言える親になろうと日々気をつけています。

  8. いい話だなぁ〜。心にしみ入りますよ。
    ありがとうございます。

  9. 一人の親として、やはり親も人間です。
    うちにも、2歳と7歳の子供がいます。   授かった瞬間の感動は忘れられないものだったのに、いまや、叱らない日はないくらい 毎日が 戦争のような状態です。 
    けれど、いくら叱っても 心に残るものは 後悔だけだと気づきます。 
    親も子供に育てられ 成長しつづけているのですよね。 叱っても 怒らない 大人に
    自分もなっていきたいと思わされた 素敵なお話 ありがとうございます。

  10. いつもいつも杉本さんのお話は私にとって
    今聞くべき事ばかりです。感動の涙で心が癒されました。

  11. 私は金銭的な不自由はなく育てられましたが
    現在NGとされている
    抱かない、誉めない、親でも間違えることを認めない、聞かない、
    橋の下から拾った、とか、容姿を非難したりとか
    今思えばとんでもない育てられ方をしました。
    そしてそれは、自分が親になったことで、
    愛されなかった、という我が親への恨みに変わってしまいました。

    今は常に『子育ては親育て』と自分を律してお母ちゃん業やってます。

    子供から学ぶことは毎日たくさんあります。
    常に、大人の定規で計っていないか注意を張り巡らします。

    私が今腹立たしく思っているのは、
    お漏らしをしたこと事態について怒っているのか、
    それともお漏らしをした床を拭くのが面倒だと思っているのか?

    『子育ては親育て』。
    共に成長したい。

  12. イイ話ですね。
    ありがとうございます。
    僕も自分の子供大好きです。
    壁に書いちゃおうかな。

    問題は、親を大好きになれないところです。
    親にだけは冷たい態度をとってしまいます。
    いつから親に対して拒否反応が出るようになったのだろう。
    どうやったら親を大好きになれるのだろう。と最近考えています・・・

  13. 子供の将来・未来を願って
    子供を叱る

    まだ自身の子供がいませんが、
    自分に子供ができたのなら、
    子供の将来を考え、
    子供のために叱る

    それが自分よがりになるのではなく、
    子供にも叱る愛情が伝わるように
    育てていきたいです

    そして、子供と共に
    成長していこうと思います

    ありがとうございます

  14. 私にも似たような事がありました。息子が小さい頃ソファーに落書きしたんです。このお母さんのように喚き散らしながら叱りつけたんです。でもよくみると、家族全員の名前が書いてありました。泣きました。息子に謝りました。思い出してまた泣きました。最初の名前はお父さんの名前でお母さん(私)は最後でした♪
    子供達はこんな親でも好きでいてくれた。酷い事いっぱいしました。彼らの大好きだったお父さん、離婚して追いだしました~

    モンスター母でもついてきてくれます
    彼らをこれ以上傷つけたくないです
    今更ですが。

  15.    『だれもが奇跡にめぐり逢う…』   バレリー・コックス

    本日の『メルマガ…』拝読しながら ~♫~♫
    心の中が…私も”ハートマーク”-->ポカ~ポカ~ピンクカラ-?

    そして…杉本さんのファミリ-の『素敵なお話』 ^^
    どちらも~~⋆☆ 【☆マーク”5つ”】です…。

    ネガティブな感情での相手に対して『しかる-->相手を非難する…』
    此の感情は、あくまでも自分自身の”感情”が優先…!!
    人は…自分がどんなに間違っていたとしても…??
    自分は悪いのでは~~~~~~と!!思いたがらない…!!
    -->それは如何に相手を傷つけている事になるのでしょうか…?

    しかし…今日の『素敵なお話』
    自分自身の現状に置き換えますと…
    『しかる-->相手を非難する…。』された人は…反旗翻す…結果は??

    逆に…良い事をしたときに”褒める”此の事が…全て良い方向性につながる事でしょう。
    【人の長所を褒める…】此の素晴らしい…”宝探し~♫” 
    成功へと…つながるステイタス…!! ^^

    ありがとうございます…。 (SAKURA…)

  16. 赤ちゃんの時から、何かをしてやるときにその意味を話しかけるようにします。赤ちゃんは言葉はまだわからないかもしれませんが、その時の雰囲気などを学習していきます。こうしていると、こちらの言葉が分かるけど、まだ話せない段階に来たとき、行動の意味は知っていることになります。これをしておくと、言葉を通じて意志疎通ができるようになると、なんとなくの意味から、はっきりとした意味を理解できるようになります。これは、子供が思春期になったとき、話し合いのできる関係を作り上げるために重要なことです。これらを知っている子供達は、どの段階にいても、必ず行動に理由があります。もし、何もない場合は、その点だけルールを教えればよいはずです。そして、その理由を大人の物差しではなく、その子の視点で考えてやることです。その子の資質や生活、習慣を見極めて、その理由がどこまで通用するかを判断したり、それを伝えたりしなければなりません。この時、親側は、自己感情をコントロールできるようになっていなければなりませんし、その子の状況を把握できるようにもなっていなければなりません。子供との間にハプニングがあったとき、試されることは、親の日頃の自分への鍛練と子供との間に築かれた信頼関係の強度です。子供を信じてやるには、まず、自分を信じることができる人物になっていなければなりませんね!あらあら、頑張らなくっちゃ♪地道に、そして、子供達からも指導されながら(笑)

  17. いいお話でした。
    勉強になりました、ありがとうございます。

  18. いい話ですね。
    私には子どもがいませんから、本当の気持ちはわかちません。
    ですが、話を読んで会社での部下の叱り方に気をつけないと思いました。
    よく頭ごなしに怒ることがあります。
    ですが、頭ごなしに怒っても怒られた方とすれば、「何故?」という気持ちが残り、ひどくなれば憎まれて、ぎくしゃくしてしまいます。
    この話しのお母さんのように、感情で叱った事を反省出来るようになりたいですね。
    いつも、いい話ありがとうございます。

  19. 今回もとても素敵なメッセージでした。子供が欲しくなります。
    まず彼女を探すとこからですね。

  20. 杉本恵洋さま、

    ステキなメッセージです。ありがとうございます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>