うまく伝えたい「講演会/説明会」

有名な先生がありがたいお話をしてくれる、
講演会もしくは説明会に、あなたも足を運んだことがあるでしょう。

または、あなた自身が講演を行う
演者だったかもしれません。

今回は、私が足を運んだ
ある法律に関する「説明会」での
一幕をご紹介したいと思います。

法律にはまったく疎い私にとって、
「素人向け 法律説明会」と題されたその会は、
大変魅力的なものでした。

完全予約制ということで、数か月も前から予約をし、
忘れないようにと手帳にメモし、カレンダーに目印をつけて、

それは楽しみに、その日を待ちわびていたものです。

片道約1時間の距離にある会館は、
既に大勢の人で賑わっておりました。

ずらりとイスと机が並べられた大きな1室。
空いた席を探すのも苦労する程、
びっしりと人の背に埋もれていました。

中間よりも前の方に、ようやく一つの席を見つけて、
貰った資料を眺めながら、その時をわくわくと待ちました。

資料には複雑怪奇な文字が並び、
まったく意味がわかりません。

そうして始まった説明会。

まずは先生のありがたい経歴紹介から始められ、
資料と寸分違わぬ文字が、スクリーンいっぱいに映し出されて、
何一つ理解できぬとわかった15分後、
私は眠りに落ちました。

そして、ようやく目覚めた15分後、
さらに、眠気と必死に戦う15分が過ぎ、
もう帰ろうと決意をしました。

そそくさと荷物をまとめ、こっそり席を立ち振り返り、
私は驚愕の現実に直面しました。
あれだけびっしり詰まった席が、
がらりと空いていたのです。

さて、なぜ人は帰ってしまったのでしょう。
視聴者の意欲が低すぎたのでしょうか。
知りたいことが、45分で凝縮されていたからでしょうか。
何か大事な、別の用事を思い出したからでしょうか。

あれだけびっしり埋まった席を見たならば、
他の視聴者たちも、私と同じように、
それは楽しみにこの日を待っていたのだろうと思います。

当然、余計な用事など入れないでしょうし、
最後まで聞いて行く気満々でいたはずです。

ならばなぜ。それは……

専門家による、専門用語連発の、独走会と化していたからです。

「素人」のレベルに相互不和があったのでしょう。

例えば、高校生に勉強を教える時に、
「中学レベルは理解しているに違いない」という前提に立って話すと、
だいたいは失敗します。

人の興味や理解量はさまざまですので、
「当然だ」「基本だ」という自分の中の思い込みを捨てないと、
うまく伝わらないものです。

人に理解してもらいたい、伝えたいと思った時は、
①基本用語の説明
②わかりやすい図
③なるべく簡単な表現を使う

この3点がポイントです。
(ユーモアや、はきはきした滑舌があると、なお良いです)

もし、「素人向け」と題される講演会、もしくは説明会を任されたなら、
ぜひ、この3点に注意して、取り組んでみてください。

中藤 里美

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13 thoughts on “うまく伝えたい「講演会/説明会」

  1. >①基本用語の説明
    >②わかりやすい図
    >③なるべく簡単な表現を使う

    人に教えるという観点で、
    商談の場合でもとても気を使っています。
    知ってて当たり前の概念をなくすことが大切ですよね。

  2. 人に理解してもらいたい、伝えたいと思った時は、
    ①基本用語の説明
    ②わかりやすい図
    ③なるべく簡単な表現を使う

    この3点がポイントです。
    (ユーモアや、はきはきした滑舌があると、なお良いです)

    専門家は、自分の知識を誇示する傾向にありますね
    なので、聴衆のことはお構いなしで自己満足のために講演を行う
    勿論、ある程度知識がある人には、初心者向けでは物足りなさを感じるでしょうが…
    レベルは分けて行うべきですね

  3. タイトルにだまされましたね(笑)
    逆に言えばタイトルはものすごく重要ということですね。
    内容よりも集客する力がありますね。
    難しそうなテーマのとき「素人でもわかる」は、効果大なんですね。覚えておきます。
    ありがとうございます。

  4. 専門用語しか使えない講演者は、まだ未熟なのだと思います。
    視聴者の傾向を、話し始める前に把握していなければ、よい講演会にはならないですよね。
    事前アンケートをとったり、当日、直接聞いてみたり。
    でも、たくさんの人の前で話す技術は、経験により上達するのでしょうね…。
    難しそう!

    昨夜、庭で不振者を見つけ、平常心を保ち、防犯対策を考えるために、こちらに来て別の角度からも学ぶことにしました。
    いやはや…、施錠などお気をつけください。

  5. この講演会は「無料」だったのかな?たった1000円でもいいから、参加費を取っていたら同じような状況にはならなかったかもしれないですね。人は自分がお金を払ったものに対してはそれを回収しようと思う心理が働きますからね。分からないなりに最後まで話を聞いたでしょう。

    P.S.実際、大学で行われているいわゆる教授がやる講義の多くはだいたいこんな感じですね。ほとんどの教授の講義が独演会と化です。教授は研究することが主な仕事で、教える専門家ではないので仕方がないのかもしれないですが、なぜもっと分かりやすく教えることに気を使わないかと思います。博士と呼ばれる彼らは頭が良すぎて、できない学生の気持ちが分からないのかな?

  6. それに対して有名な予備校の教師たちは、博士ではないかもしれないですが、分かりやすく教えることには特化していますね。多くの生徒が最後まで講義を聞いて、内容を理解し、満足して帰っていきます。

  7. 私の場合、『うまく伝えるというより、とても理解しやすかったかを重点的に構成を組み立てます。』
    その為に、工夫している点があります。

    ① ホワイト.ボードを使用して、視覚を利用して理解をして貰います。
         ● この方法の効果は、見て聞いて書いての効果を20倍以上の効果をなし、しかも、集中力
           をアップし、生徒さんからの質問をだしやすくさせる効果もあり、講座は、盛り上げられる
           雰囲気になり、次回の参加も確実になり、講師との人間関係も密なものになります。
           (とても良い質問をしてくれました、という笑顔を出しながら、進めると、雰囲気が盛りあがりま        す。そして、他の生徒さんの目線も輝いてきます。)

         ● 噛み砕いたやさしい言葉を使い、質問を出させやすくします。『表情でわかりますよね』

         ● わかりやすい図を提示する。

         ● 基本用語は、「これだけは大事だから」と言って、重点的に絞って、少なめに提示する。

    等です。(生徒さんからの質問が出る工夫を惜しんではなりません。)

  8. 「素人向け 法律説明会」
    ですから、看板に偽りありですね。

    専門家でなくても、自分が当たり前に使っている言葉が、
    会社や部署などのローカルでしか通じないこともあり、
    ほかの人に話すときに使わないように気をつけたいです。

  9. いつも素晴らしいメッセージを有難うございます。

    私は医療関係の仕事をしています。
    今回のメッセージを読んで、普段の仕事でも気をつけなければと感じました。
    医療には一般の人が聞いたこともないような専門用語がたくさんありまして
    これをまったく抜きにしては患者さんに説明することはできません。
    ただ、その用語をそのまま使えば理解はしてもらえませんが
    まずはその用語の説明をしたうえで「これからはこの用語を使いますね」と前置きして話をしています。
    専門用語はその世界で「早く・簡単に・明快に・確実に」伝わる符丁だからです。
    同じく医療関係で、ある一般人向けの書籍に専門用語をできるだけ避けて平易な言葉で書かれたものがありましたが
    読んでいてまだるっこしく、かえって理解しづらいと感じました。
    専門用語は、何の説明もなくいきなり一般人に押しつけてはいけませんが
    説明の上で「教育」して使うことで、話がスムーズになるケースもあることと思います。

    このことで感じたことをもうひとつ。
    私たちが普段乗る電車も、実は1本ごとに個別の列車番号が付けられています。
    数字のみだったり数字とアルファベットの組み合わせだったりしますが
    たいていは多くても5桁程度の短いものです。
    この列車番号は基本的には部内のみで使う専門用語ですが、
    これを広く公開すれば、忘れ物の問い合わせなどはもっとスムーズになると思います。
    これも専門用語の「教育」だと思います。

  10. 事前に聴衆の知りたいことや、すでに知っていることが把握できれば
    とてもやりやすいのですが
    実際には様々なレベルの方が混じっていることがあり
    全ての人にと言うのは結構難しいですね。

    「とにかく、寝せない」を目標に講義をしています。
    そのためには
    笑いを挟む(自虐ねたが多い)というのも大切なポイントだと思います。

    また、一方的な話にならないように
    質疑応答を適宜はさんだり
    こちらから指名発言を求めたり
    聴衆を巻き込むことも寝せないためには必要ですね。

  11. いわゆる「一般人向け」に話をするときは、
    小学校5年生くらいに向かって話すつもりでちょうどいいと
    聞いたことがあります。

    専門家同士の学会等ならいざ知らず、
    ちょっとテーマに興味がある程度の人達なら
    確かにその程度かもしれません。

    聞き手に伝わってこそ、講演の意義があると思います。

  12. 1.基本用語の説明
    2.わかりやすい図
    3.なるべくわかりやすい表現を使う

    納得ですね

    私も人前で説明をする機会が
    あるのですが、
    上記のことを意識して
    説明を行っています

    自分よがりのものではなく、
    何のための説明会かを考えたとき
    必然的に表現の仕方は
    相手に合わせてしまいます

    これからもこのスタンスを意識して
    説明を行っていきます

    ありがとうございます

  13. つまらない説明会をした人の一番大きなミスは聴講者とのキャッチボールができていない以前にする気がない点。相手は素人でわからないからこそ「知るために来た」のだから「知っていて当たり前」という前提で説明会をしたこと自体が無能な人のすること。説明会も結局は評判で集客できるか決まってくるのだから、その計算ができないということは法律家としても無能であるのは間違いない。法律家でも医師でもできる人はわかりやすい表現を使います。
    商談でもできない上司は「普及価格帯と言え」と言いますが要は「安いもの」なのだからそういった方が通じます。そういうかっこつけて仕事ができない上司は「金」でも「人脈」でも
    私より遥かに下でいつでもつぶせます。自分の見栄が最優先で相手側からものごとをみようと
    しないようでは「説明会」のみならず「商談」でも「商品開発」においてもうまく行くはずが
    ありません。「説明」がうまい人はよく素人の奥さんや友人相手に練習してみてわかりやすいかどうかチェックして何処がわからないか、どんな疑問を持つかチェックし、もう一度やりおしてわかりやすくなったかまたチェックするくらいやるものです。だいたい聴講者とキャッチボールをする気がないのなら説明する側も面白くないんでないかと思いますけどねー。

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