秘密のヒット商品開発手法?

商品開発をするにあたって、
大事なこととは何でしょうか?

素材、使い心地、耐久性、値段……etc
それらを吟味し、自信作を作り上げたとします。

次に考えなければならないものとは?

手に取ってもらえるアイデア、そして、
リピーターとなってもらえるアイデアです。

今回は、私の見た、とあるキャンディー(キャンディーAとします)
について、お話したいと思います。

キャンディーAは、女子高生からブームが始まり、
男子高生にまで波紋を広げる、一大人気商品です。

ブームを巻き起こした立役者は、
キャンディーAのイメージキャラクターでした。

かわいくも、かっこよくもないキャラクター、
いうならば、ブサカワという新しいジャンルのそれが、
なぜか女子高生の心を鷲掴みにしたのです。

キャンディーAを買えば、キャラクターのキーホルダーがついてくる。
というキャンペーンがあった時、女子高生たちは箱買いをして、
キーホルダー集めに専念しました。

様々な種類のあるキーホルダーを、何種類も集めては、
学生かばんにぶら下げて、スクールライフの話題をさらう。

キーホルダーを集めることは、彼女たちの
ステータスとなっていたのです。

そんなある日、(たぶん、何かのお祝いだったのでしょう)
ある女子高生が、男子高生に
かわいくおねだりをしておりました。

「ねぇねぇ、キャンディーA買って」

ところが、男子高生はこう切り返しました。

「え?だってあれ、ウマくないじゃん」

そして、次に女子高生はこう言ったのです。

「ウマくないけど、キーホルダーがもらえるの」

このセリフは、成熟した常識ある大人には、
とても受け入れがたい心理だろうと思います。

良い商品だからこそ売れる。
良い商品だからこそ売れ続けるに違いない。

そうした大人の常識は、時として子供には通用しない場合があるようです。

特に食品系の場合など、味覚の違いは、
年齢によって大きなズレや差を産みます。

大人がウマいと思ったものが、
子供にもウマく感じられるかといえば、
そうでないことは、あなたも良く知っていることでしょう。

そこで、例のキャンディーAです。

開発部が苦心して作り上げたキャンディーAは、
残念ながら、子供達の味覚には合わなかったようでした。
(マズイわけではありません)

ところが、見事に起死回生を果たしました。

それが、、、

ブサカワキャラクターという、アイデアだったのです。

そんな良い手があるなら、どの商品もやればよいのに。

なぜ、みんな同じ手を使わないのだろうか。

そう感じたでしょうか。

ところが、他の商品も似た手を使っているのです。

過去にも、その手で成功した数々の例があります。
しかし、本当にヒットしたのは、ほんの数例。

なぜなら、

大人がかわいいと思うキャラクターが、
子供にもかわいいキャラクターとは限らないからです。

商品開発に当たっては、対象年齢の設定というものがあり、
その設定をした上で、彼らの好むパッケージや
時に、キャラクターの作成に入ります。

つまり、対象年齢に合致した嗜好、センスが必要となるわけですが、
あなたが16歳の清純な少年だった頃、
同じ16歳の女の子の気持ちはわからなかったろうと思います。

今、30代、40代、50代にさしかかったあなたには、
16歳の女の子の気持ちが、
わかるようになったでしょうか。

中藤 里美

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10 thoughts on “秘密のヒット商品開発手法?

  1. 40代以上の方ならご存知だと思いますが、幼少時に仮面ライダースナックというカード付きの菓子が社会現象を起こしました。子供の味覚に合わせて甘くしたあられのような菓子(現在も形を変え一部では売られています)でしたが、子供に菓子の味は受け入れられず、カードだけ抜き取っては菓子を捨てるという社会問題に発展したものです。今回の例は、それを彷彿とさせており、商品力を上回る付加価値を付けることで爆発的に商品が売れるのは、いつの時代も同じなんだと感じさせられました。

  2. 私はどんぐりの食品化を心がけているものです。
    旨味成分はたっぷりあるので作ったもの各々は非常に美味しい
    しかも、健康要素も抗酸化性能、ポリフェノール、解毒作用、坑老化作用と
    是非とも世に広げたいと思いますが、そう言う要素のみでも社会に受け入れて
    貰えないのかなと思うこと屡々です。

    付加価値はどのように付けるべきなのでしょうか?
    非常に迷うテーマです。

  3. 「まず商品(製品)ありき」と一般人やメーカーは思いがち。カードやおまけなどが欲しくてグッズ集めがブームになれば売れる他、例えば商品をエコバックなどに入れて売ればエコバックのデザインが人気があれば売れるでしょう。それと誰が売るかも重要な要素で多少商品の性能が劣っても販売者の実力があるとすごい売上になることも実際に多くありました。その販売者が何故その商品を頑張って売るかは「他の商品より粗利が取れる。」とか「その地域なら自分だけが独占的に売れる」という販売意欲をそそるポイントがあるからで、ではどうやってその販売者の実力を見分けるか、そういう人(会社)を探すかは最初は試しに不特定多数に販売して実績をみるしかないでしょう。競合の2番手を狙うのも後手メーカーなら使える手です。
    一般的に消費者は商品の性能を見抜く力はさほどなく「デザインがいいモノ」が売れる傾向にあります。多少、性能・品質が劣っても「よさそうに見えるもの」「かっこよく見えるもの」が売れるし、使った後も他社の製品より劣った性能には気がつかず、この商品とはこの程度の
    品質なのだという認識を持ち続け、その商品に対する信用は下がりません。因みに自分の勤務先はデザインで劣って品質で勝っている会社の方ですが。・・・・

  4. ビックリマンシールを思い出しました。
    そして、ねるジェラなどのお菓子も決して美味しくはないですが、
    子どもの心をがっちり掴み続けていますね。

  5. ビックリマンシールも、ビックリマンアイスも、ビックリマンスナックも、シールだけ集めて、お菓子はほぼ捨てていましたね。レアなオマケ(ヘッドシール)を混ぜてそれを集めさせるというロッテの販促戦略なんでしょうが、、、今、大人になってお菓子を捨てていた過去を振り返ると「なんだかなぁ」という気がします。

  6. 16才の女の子の気持ちがわかれば、JKにモテモテですね。
    人の気持ちがわかるというのは、無敵なのですね。

  7. 市場に商品・サービスを提供することが、本来の姿でしょうが、
    商品・サービスとはまったく関係のない部分でビジネスが進んでいく。
    結果があれば、こういった販促手法も有りなのでしょうが・・・
    なんか、こう~、スッキリしないです。日本のマーケット独特の現象では?とも思います。
    なかなか、考えさせらえられるテーマでした。

  8. 他に目を向けてみるとAKBのCDのような感じですね

    CD以外の付加価値で商品をヒットさせる

    商売人としてはすばらしいと思いますが、
    当事者としない消費者として考えると
    悩んでしまいますね

    勉強になります

    ありがとうございます

  9. 商品価値はお客さんが決める。そこに尽きると思います。ありがとうございます!

  10. いろいろな共通点があるお話ですね。
    人間の心理的な傾向ですが、コレクションという要素は起爆剤になります。

    私の生まれた時にはブーム後でしたから詳しい内容はわかりませんが、ビックリマン、仮面ライダー、ポケモン、キン消し?、ガンダムなど、どれもコレクション要素が高く、「全種類集めたい」という気持ちを持たせます。

    最近でも、カードを主流としたコレクションビジネスは子ども大人問わず大きな市場になっており、子ども達はお小遣いを投資し、大人たちは、いわゆる「大人買い」をしています。

    さらに種類の中にも限定性があり、レアリティーを持たせて、入手という目標、入手できた時の喜びと驚き、気持ちの高揚、満足感、達成感などを持って持たせることができます。同じ紙ですが、描かれているもの、書かれているものが、デザインが違うだけで、付加価値がでています。

    もう一つ共通点として、既に多くのお客がいる市場を対象としているということです。

    お客さんがいない市場で爆発的なヒットを生み出すのは極々一部です。

    AKB48も既にあるアイドルビジネスです。CDについているチケットを求め、一人当たり5枚、10枚、100枚と買い込んでいっています。また、チームの中からユニットを作り、コアな層からさらなる吸い上げを行う。グッズの数を増加して、好きなアイドルがいるユニットへ投資をさせる。

    など、一つの団体から、どのようにしてさらなる価値を生み出し、キャッシュポイントを増やすかが重要です。

    カードビジネスであれば、これも成熟したビジネスですが、いろいろな付加価値をつけて展開することにより、まだまだ伸ばすことができるビジネスです。

    ブシロードという会社を見ましたが、とても上手です。

    これは「アニメ」を題材にした企画ですが、一つの「カードゲーム」という樹を持ち、「枝の数」をとことん増やすことに特化しています。普通のカードデームであれば、一本の樹を大きくしていくビジネス戦略ですが、ブシロードの場合は、いろいろな「アニメ」と連動する企画を持つことにより、カードゲームはやらないけど、好きなキャラが出ているから集めたい。コレクションしたい。また、折角その集めたカードで遊べるのあれば、好きなキャラだけで遊びたい、という気持ちを持たせて、多くの枝をつけていくビジネス戦略です。

    枝が折れても、人気の作品が現れればその枝を追加する。
    枝が枯れて、人気がなくなっても、すぐに旬の枝を用意する。
    一種のリスクヘッジです。

    どちらかというと「根」という表現の方が正しいかもしれません、樹がなくても根があれば生きられます。(植物も春夏秋冬、ビジネスも春夏秋冬、春に芽生え、夏に成長し、秋に収穫して、冬は春の準備)

    一般的に、樹だけを成長させるとどうなるかというと、とにかく樹を大きくしていき、高く高く伸ばしていきます。高くなりすぎると、新規の人には高すぎで付いていけなくなる、または高すぎで最初から入る気になれない気持ちになります。ましてや、樹が一本ですので、枯れたら終わりなのです。

    「市場にいるお客さんの心理」を良く理解した戦略システムだとブシロードやAKBを見ていて感じます。

    新しい商品を作り、0からファンを育成し、お金を投資していくというのは余りにもリスクがあります。簡単には爆発的HITは起こせません。

    ですから、既にある大きな市場や成熟した市場を見る(リサイクル)、その市場にいるお客さん(ターゲット)の心理を良く考える、コレクションのような起爆剤的要素(アイデア)、樹だけでなく枝や根(リスクヘッジ)、限定性(付加価値)をよくよく考えて、小さく実践(テスト)する必要があるのです。

    改めて思考を整理する機会になりました。。

    普段の生活でも、目を光らせる、マーケティング目線で見ると、様々な発見があります。
    マーケティングは面白いですね。

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