極楽と地獄

私の通った高校は、仏教系の学校でした。

そして特色ある授業として、“宗教”
というものがありました。

とはいえ、宗教に勧誘する類のものではありません。
“宗教”と題されてはおりますが、要は道徳の時間です。

当時の私は、『なんでこんな無意味な授業を……』
と思っていたのですが、当時習ったほぼ全てを忘れた今にあって、
その授業の内容だけは、未だに頭に残っているから不思議です。

そこで今回は、
その授業で教えてもらったひとつの小話について、
ご紹介しようと思います。

物語

とある武士が、高名な僧へ教えを請いに行きました。
「極楽や地獄とは、一体どこにあるのでしょうか。
本当に存在するのでしょうか」

すると僧は、突然物凄い剣幕で怒り出しました。
「武士のくせにそんなつまらないことを聞きにくるとは。
なんと情けない。それでも武士か」

僧の怒りは収まりません。
さんざん罵倒され、ぐっと我慢に我慢を重ねていた武士でしたが、
ついに我慢の限界が訪れました。

「どこまで愚弄するか!! もう我慢ならん」

そうして武士は疾風の如く抜刀し、僧の首へ刃を突きつけたのです。
すると、僧は叫びました。

「それ。そこが地獄じゃ!!」

武士はたちまち理解して、僧の前にひれ伏しました。
「申し訳ありませぬ。どうかお許しを」

僧は居ずまいを正すと、厳かに言いました。

「それ。そこが極楽じゃ」

地獄も極楽も、あなたの心の中にあるのです。
あなたが心を平穏に、周りを冷静に客観視できたなら、
そこら中を極楽に変えることができます。

一方、心の持ちようを違えたならば、
同じ世界でも地獄に見えてしまうでしょう。

具体的な日常に重ねてみます。

日常例

例1.
毎晩残業続き。休日出勤も当たり前な日々を送っていたとします。

考え①
「使えない連中ばかりだ。おかげで俺ばっかりこんな目に」
考え②
「会社に必要とされている。俺にはそれだけの価値がある」

例2.
英語が得意でないのに、海外出張を命じられた。
経費削減の為に、通訳はつけないと決まっている。

考え①
「会社がケチるからこんなことに。失敗しても知らないぞ」
考え②
「評価を上げるチャンスだ。ぎりぎりまで英会話へ通うぞ。
いざとなればライティングやジェスチャーもある。頑張ろう」

さあ、あなたの考えは①、②のどちらでしたか?

「悲劇のヒーローになるくらいなら、

腹を決めて最後までやり抜こう」

と、7つの習慣のショーン・コヴィー氏も書いています。

“疲れ”という小鬼に惑わされてはなりません。

その小鬼は、あなたを地獄へ引きずり込もうと
虎視眈々と狙っていますが、
地獄も極楽も、今生きて眺めている、
あなたの目の前に両方あります。

どちらの世界の扉を開き、どちらの世界で暮らすかを、
決めるのはあなた自身です。

中藤 里美

PS.
疲れという小鬼に惑わされないため、
あなたもセルフイメージを変えて自分を変えてみませんか?
http://0stresslife.com/zrl/

10 thoughts on “極楽と地獄

  1. 禅的な話の中からうまく表現されたご投稿と感じます。なるほど、これは天国。批判すれば、そこは地獄。剣の世界でね、「切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ、打ち込み見れば、後は極楽」。こんなのがありますよ。かつて知人の大学教授が言いました。私は、「心理の奥義は?(笑)」などと質問しましてね、そしたら教授は言いました。「何を言う、君の方が知っているはずだ」「えっ?」若い僕は首をかしげますと、「だって君は剣の極意書を研究しているではないか!心理学などは、剣の極意書にはかなわないよ(笑)」

  2. いい内容です。同じ状況下でも自分自身のとらえ方で全く行動が違ってきますね。行動が違うから結果も当然違うことになる。本当に同じ人間で同じ能力でもこの違いからくる結果の違いは想像を絶することになります。自分自身も元々よわっちい人間でしたが、このストーリーの
    ような気づきがあって、社会人になってからは日本語も英語も通じない学校では全く習ったこともない言語の国へ行き飛び込み営業で数千万の売上を上げました。まあ、JTBかなんかの
    赤い旅行者用の会話本くらいでは自己流で勉強したけど、本当にとらえ方で全く違う結果になるのでどうせ失敗するにしても積極的に行動した方が失敗しても何が悪かったか、次は違う
    方法でやってみようという方向性が見えるから積極策を取った方がいいと思います。
    その方が面白いし。

  3. とてもいい切り口の記事でしたよ。
    当たり前のことですが
    はたと気付きがありました。
    ありがとうございました!

    神野

  4. tenngoku to zikoku kami hitoe desune
    itimami no usui kami ni dotiraga omoteka uraka to iu koto dato omoimasu

    watasino nemaeha hotokeko sinnde hotoke iketeru watasimo hotoke desu

    koreha taninga kimeru monodeha nai to omoimasu mina zibun no itinen desu

  5. 確かにそうですね
    これから2週間のうちに人類社会は地獄と化します
    恐らく滅びるでしょう
    でも、失うものがある人は殆どいません
    既得権益を持つ者、特権階級以外、実は失うものなど何もないのです
    私は、人類滅亡は楽しみで仕方ありませんね
    何故なら、今よりは確実にチャンスが広がっていくから
    ギリシャが破綻すれば、資本主義は破綻します
    こんな中、文明とは無縁、資本主義とは無縁の人が生き延びるでしょう
    地獄は、現在の人類社会にこそあります
    極楽は、人類社会とは無縁内規方をしている人のところにこそあります

  6. 子供のときはチョー短気だったんですが、もう何年も怒ったことがないですね。

    この世はなんて極楽なんでしょう。

    えっ・・・死んだあと?
    どーでもいいですw

  7. 例が2つとも過去の自分によく当てはまっていました。
    考えは①②の複合型。基本的にどちらかに偏る人は少ないのではないでしょうか?

    例1の場合は、
    「使えない連中ばかりだ。だから俺は会社に必要とされている。俺にはそれだけの価値がある」

    例2の場合は
    「会社がケチるからこんなことに。でも評価を上げるチャンスだ。いざとなればライティングやジェスチャーもある。頑張ろう」

    と、当時はこんな感じでした。

  8. すみません。中藤さんの書かれた内容は、いつも??な感じで、共感できませんでした。でも、今日のお話はグンバツ! 抜群!

  9. 始める人から終わらせる人へなる。
    がんばった~!からやり遂げる!人へなる。
    ひとつひとつの仕事をきっちり終わらせて
    次に進みたいものですね。

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