人の利益と自然の形

ビオトープってご存知ですか?

生物の生息環境を意味する言葉で、
ドイツで生まれた概念です。

人間が便利に暮らす為に、
至る所がアスファルトで固められ、
無数のコンクリート壁が立ち並ぶ現代。

自然動物の暮らす場所を確保してあげようと、
池を作り、草を生やし、昆虫や小魚の住処を
人工的に作って提供しようという試みが始まりました。

一般的に、こうした人工水辺を「ビオトープ」と呼んでいます。

これは各自治体や、教育場面などで、
活性化してきた背景があります。

7,8年前まではそこら中で聞いた言葉ですが、
最近あまり聞かないなぁと思っておりましたら、
こんなことを耳にしました。

「学校で草ボウボウな池を作るから、
蚊は飛ぶし、カエルは煩いし。
この前はヘビを見た!」

カエルを食べにヘビが現れたなら、
ビオトープの試みは大成功です。

そうして学校は大喜びしたかと言えば……

ビオトープは土で埋め立てられてしまいました。

ヘビの出る学校なんて、危なくて子供を通わせられない。
蚊が酷いと近隣住民から苦情が出ている。

こうした理由の為でした。

かわいい小魚や無害な昆虫が幸せそうに泳ぎ回る水辺。
見た目のよい草が品よく並んで、きれいな花を咲かせ、
春には美しい蝶が飛び、秋にはオオヤマトンボが飛びまわる。

そうした温かい風景だけを“自然”だと、多くの人が信じています。

不気味なカエルや、ヘビや、蚊やムカデは“自然”ではなく、
彼らは害虫であり、駆除するべき対象だと思っています。

人間に危害を加えない、お上品な生き物だけが
“自然”と認められ、人の近くで暮らすことを許されているのです。

人の作ろうとした“自然”とはそういうものなのでした。

話は変って、

2005年に日本で開催された『愛 地球博』

「地球の叡知」をテーマとしたこの博覧会は、
長久手町、豊田市と瀬戸市にまたがる名古屋東部丘陵を切り崩し、
『森林体験ゾーン』が話題となりました。

人は『森林』ではなく、『森林体験ゾーン』を歩くことを望んだのです。

そして、忘れてはならないことですが、
この『愛 地球博』、100億円もの黒字を生み出す、大成功を収めました。
多くの人が楽しみ、良い思い出を作って帰ったということです。

自然を説いて自然を壊す。
“環境”を材料に“利益”を創る。

社会の巨大な頭脳は、そうした珍プレーを得意としています。

人の利益、人の財産、人の為の便利な環境……
その裏に消えて行く、本当の自然や他の命、彼らの住処…

どうするべきかを、ここでは書きません。

しかし、心に留めておいてください。
人は大破壊を行うことができますが、
大創造、大再生を行えるのも、人だけだということを。

中藤 里美

PS.
頑張るのをやめると成功する?
10倍の年収と幸せな家族を手に入れた男の物語・・・
http://www.0stresslife.com/zrl/

7 thoughts on “人の利益と自然の形

  1. 葉っぱを人は作れない…ということを最近しりました。詳しくは分からないのですが、葉の一部は作れるけど、そのものを作れない…と言っていたような?
    クローン技術は発達してきているのに、葉っぱはまだまだだということを知り、驚きました。
    自然からかけ離れた場所で暮らすようになってしまった人間は、その偉大さ、恩恵を感じる機会が少なくなってしまいました。
    感受性も低下しています。
    テストの点をとることにやっきとなり、これらの能力を向上させる時間を確保しないからです。
    もちろん、高得点をとる子供達の中にも、勉強をする本当の意味を知っている子もいます。
    でも、少なすぎるのではないでしょか?
    もしくは、落差がありすぎるか…。
    本来あるべき姿の自然で暮らさなくなった人間は、暮らさなくなった人からもお金を徴収し、本来あるべき姿の自然を保持する費用にしなければなりません。
    自然も昔のように人間と関わるのではなく、生き残るために一部は人間の手を借りることも必要なのかもしれません。
    日本の繊細な自然。
    この価値を知る人は、今どれだけ存在するのでしょう?
    自分に甘い人間では、自然を守り抜くことはできないでしょう。
    そして、私は…。
    まだまだ、甘すぎる…。
    その甘さに歯ぎしりしてしまう。
    負けない!
    ライバルは、自分だ!
    さあ、今日も一日、がんばろう!

    1. ひょっとすると、「でんぷんは作れない」というお話では?
      アミノ酸は、無機物から作り出す実験が成功しています。しかし、「でんぷん」やその材料の「糖」を実験室で作ることはできないというお話ではないでしょうか。
      もちろん葉も人の手で作ることはできないのでしょうが。人口はついに70億となり、天敵のいない人間ばかりがこんなに増えて、地球はどうなってしまうのかと、とても心配です。何かの本に、「人間が戦争するのは、間引きをするための本能だ」みたいなことが書かれていて、そうかもしれないと思いました。間引かれるのは嫌ですが、このままですと、いつか飢餓で何億人もの餓死者が出る事態になりそうで怖いです。
      話がずれましたが、人間はこれ以上増えない政策をしなければなりません。人手が減れば仕事は必然的に回るでしょうし、自然動物の住処も増えるのではないでしょうか。

  2. ドイツはゴミの捨て方も厳しくドイツへの輸出は梱包材から製品の物質の含有率から基準が厳しい国ですが、それでも本当の自然のあり方はわかってない人が多いのですね。私は森が好きですが、リスや鹿はかわいいから喜ばれますが虫や蛇は嫌がる人が多いものです。「魚が住まない池は危ない。」というけれど「虫がいない森。鳥の声が聞こえない森」も異常で不気味な
    ものだし、それが不気味に思えないようでは自然を理解してないのです。仕事をして利益を得ること、「勤労は尊いもの」とするけれども工業によって自然破壊が進み環境破壊によって世界のあらゆるところで水害などが多発していることを考えると、ものはもっと長く大切に
    修理できるものは修理して昔のように「もったいない」という感覚で生きていくことも必要かと思う半面、雇用の問題を考えると如何に収入を得るか、また人口増大に対しても何らかの
    規制をしないと世界の食糧不足の懸念なども如何に払拭できるか考えさせられます。経済が
    回転しなくなるのも雇用の問題につながり食いっぱぐれる人が出てしまいますから。

  3. 中藤 里美 さま

    こんにちは。
    お世話になっています、坂井と申します。

    「人の利益と自然の形」を拝読し、
    学校で作られたビオトープの生態系が形成されてきた時点で
    「土で埋め立てられてしまいました」という結果に
    がっかりしました。

    都合が悪いから排除する、という考え方ではなく
    「共生」を目指した方が良いのは、
    自然との関係も、人間同士も同じなのでは、
    と、思っています。
    特に、自然については、「残す」事を
    考えていきたい、と、思っています。

     平成23年11月 1日(火)
        坂井 真

  4. 考えさされる 一言でした。人間の驕り、自然の前に謙虚でなければの思い一入です。
    科学技術がこれだけ進んでも、人間には  あり一匹の命も作れません。
    あらゆる命を大切にしましょう。

  5. 残念ながら、人類の手によって人類が滅ぼされようとしています
    その流れはもう止めることは不可能でしょう
    マネーによって人類が滅ぼされるということが、現実的になってきて、もう、引き返しようがないところまで来ています
    人類は滅んだ方がいいでしょう
    アメリカでは1%の人間が残りの99%の人間から搾取しているということをいっていますが、99%の人間は失うものは何もないのでその方が幸せかも知れません
    特権階級と既得権益を徹底排除する方向へ人々が動き始めたのです
    10月に人類は滅亡するはずでしたが、それはなりませんでした
    11月にはそうなることも予想されますし、一刻も早い方が人類の幸福になるでしょう
    人類が滅んでしまえば、他の生命体にとってもいい環境になることは間違いないでしょう
    10月31日に世界の人口が70億に達しましたが、決して喜ばしいことではありません
    本来、憂うべきことなのです
    自然と共存して行くには2億ぐらいが丁度いい筈です
    つまり、35分の1にならないといけないということになるのです
    そろそろ最後の審判が訪れます
    Hyper Human Beingになれば救われるかも
    私は、循環型農業を目指していました
    大量に捨てられる食糧
    これを放置していいのかと、かねてから考えていました
    でも、挫折することとなってしまいました
    これからは自給自足へ向かうでしょう
    そうすれば、廃棄されるものはかなり減るはずです
    やはり、生活は自分で賄えるようにしないといけない
    そういう存在だけが子孫を残していく
    生活のために仕事をする存在がいなくなるのが理想社会で、資本主義にありながら社会主義に移行することになるでしょう
    そして、現在進行している経済危機もなくなっていくはずです

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>