カタルシス効果と疑似体験

from 杉本

前に、映画を見て、感動の涙を流して、
カタルシスを得ることについて、
書きました。

カタルシス効果とは、
心の内にある、不安やイライラを、
言葉にすることで、
その苦痛を解消し、
安堵感や安定感を得ること。

「心の浄化作用」とも、言われます。

人は、苦痛を発散し、
解消することができないと、
ノイローゼになったり、
暴力をふるうようになったり、
自殺を考えるようになることもあります。

カウンセリングの中では、
カウンセラーが、ただひたすら話を聴き、
相談者を受け止め、
不満や鬱積したものを、
吐き出させるようにすると、
相談者は、安堵感や安定感を、
得ることができます。

それでは、カウンセラーがいない時は、
どうしましょう。

例えば、腹の立つ対応をされたような場合に、
それを、カウンセラーに話すことができれば、
多少は発散できるところを、
周りに誰もいないために、
自分の中に留まってしまうのです。

そこで、そういう対応をしてきた相手に、
怒りにまかせて、
メールを、書いてみてはいかがでしょう。

なぜ、腹が立ったのか、
相手にどうしてほしいのか、
具体的に書きましょう。

自分の気持ちを、
できるだけ正確に、
表現してみましょう。

それから、
そのメールを送信せずに、
保存してしまいます。

言い尽くしたことで、
気分はスッキリしますし、
それでいて相手は、
怒り心頭のメールを受け取って、
傷つくこともありません。

保存先には、
「送らずに終わったメール」が、
何通か残るわけです。

疑似体験をすることで、
「すっとする」という考え方です。

役者が、役柄の人になり切って、
迫真の演技をしたような感じです。

腹立たしい思いをさせられた時、
当の相手に「メールを出した」という体験を
疑似的に得ることによって、
「思いのたけをぶつけた」
というカタルシスを得るわけです。

また、記録をつけること自体が、
落ち込んだ気持ちから、
立ち直りを速くさせる、
という効果があります。

それは、脳に、
「もう書いておいたから、覚えておかなくていい」と、
メッセージを送ることなのです。

そう、書いて、忘れてしまうのです。

育自コンサルタント
−自分を育てるお手伝い−

杉本恵洋(すぎもと しげひろ)

PS:今年もクリスマスキャンペーンが始まっています。
ローラルからのクリスマスプレゼントがもらえるのは
8日までです。
是非お試しくださいね。

http://www.nextleader.jp/loral/eyp/xmas2011/

13 thoughts on “カタルシス効果と疑似体験

  1. おおっ!貴重なヒントを、ありがとうございました。
    カタルシス…疑似体験…
    心理の説明は難しいです。
    専門家や実経験を積んだ方からの言葉は、多くの人を説得する重みがあります。
    だから、もし、自分が免許のある専門家や人が憧れる実経験を積んだ人でなくても、その人の言葉を借りることで、説得力のある文章や発言になります。
    また、後で読み返してみます。

  2. なるほどっ!!と思いました。そして、書いて、忘れる、ですか。いろいろな事に応用できそうですね!ためになるお話ありがとうございました!

  3. 大変共感を覚えます。まだ電子メールが無かった大学生の頃、あまりにも理不尽なことを母に言われてそれを言い返そうと手紙に書いたらすっきりした経験があります(結局手紙は出さずに焼却しましたが・・・)。そういう仕組みなんですね~人の心は分からないとよく言いますが自分の心も分からないものですね。

  4. なるほど!
    そーすれば良いんですね!
    いつも頭の中がゴチャゴチャしててσ(^_^;)
    これでスッキリしますね♪
    ありがとうございます!

  5. 書いて忘れてしまう。先日、メモを取っていたら「是空さん、メモ魔ですよね(笑」」と笑われました。雑事をメモしておくと、脳のメモリーを消耗しなくていいので、雑事はメモに書き出します。未消化の感情も、同じようにします。

  6. 私はブログに書きまくりです
    呪いの部屋も2009年6月12日にそんな中で生まれました

  7. なるほどー。そうだったんですね。私も仕事でストレス溜まった時に、上司に報告する文書を書いて提出しないままのものいくつかあります。知らないうちにやっていたわけですね。

  8. う~ん、私の場合は、相手の意見を聞きたいから、自分宛に送る・相手に送らないでは、不完全燃焼でした…。

  9. 昨日帰り際に、会社でいやなことがあって今日一日気分が悪かったのですが、先ほどこれを読んで、早速実践してみました。送らない前提で書いていると、「こんなこと書いたら険悪になってしまうかな?」とか余計な気を使う必要が無く、溜っているイライラを全部ぶちまけることができ、とってもすっきりしました。

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