ここより下に、家を建てるべからず

from 杉本

失敗学の権威である畑村さんは、
失敗は将来の財産と言っています。

また、畑村さんは、
失敗には「よい失敗」と
「悪い失敗」があると言います。

いい失敗とは、
新しいことにチャレンジして失敗すること。

悪い失敗とは、
不注意や誤判断から繰り返される失敗です。

失敗を教訓にできた場合と、
そうでない場合の例を、
彼は、あげています。

畑村さんは、
失敗学を提唱し出した頃から、
三陸沿岸を歩き、
多くの集落に、
「ここより下に家を建てるべからず」
といった石碑に、
たくさん出くわしていたと
著書のなかで書いています。

実際、その言い伝えを守った地域は、
被害がほとんどなかったとのこと。

しかし時代とともに便利さを求め、
徐々に海岸線近くに、
集落が移っていった地域も多かったようです。

「失敗」という経験は、
私たちへのメッセージであり、
学びがたくさんあるものですよね。

同じ失敗を繰り返さないための、
1つのヒントは、
「記録しておく」ことです。

次に、その記録から「学びます」。

有名なエジソンの逸話ですが、
彼は電灯のフィラメントに、
ふさわしい素材を探すため
6000種類もの材料を試したそうです。

彼は、
フィラメントにふさわしくない素材を、
なぜふさわしくなかったかを分析して、
次に成功するために、
それを記録しておいたのです。

もう1つ、
失敗の経験を生かすことについて。

鴨川シーワールドの、
海獣医師である、
勝俣悦子さんは、
意思決定が速いことで、
知られています。

いつどのような手段で治療行為に入り、
対象に介入するか。

その判断に、
失敗から学んだ経験が、
生きていると言うのです。
 
イルカやシャチ、セイウチなどの海獣は、
体調の不良を、
自分から訴えてはくれない。

むしろ生存競争の中にいる動物の本能として、
不調をぎりぎりまで隠そうとする。

わずかな兆候が現れたときには、
一刻の猶予もない場合が多い。
 
勝俣さんは、
有限の時間の中で、
意思決定しなければいけないことを、
分かっている人です。

彼女は、
「失敗に気づいたら、すぐにやり直す」
というのが、
一番正しい戦略だと言っています。

最後に、その勝俣さんの言葉を、
ご紹介します。

「プロフェッショナルとは、海草である。
葉は揺らぐし、なびくが、根っこは揺るがなくて動かない」

失敗から学んで成功する人が、
持つべき大事な資質を、
示しているのだと思います。

育自コンサルタント
−自分を育てるお手伝い−

杉本恵洋(すぎもと しげひろ)

PS:失敗も受け入れられる
強いセルフイメージを身につけましょう。

http://www.0stresslife.com/zrl/

5 thoughts on “ここより下に、家を建てるべからず

  1. 変化には敏感に対応する。ただし、自分の根幹は決して揺らぎのないように。

  2. 「喉元過ぎれば熱さを忘れる」でしたっけ?幼い私が失敗を重ねた時に「忘れてはいけない」と母に言われました。母は、失敗を一度しか見逃してくれなかったように幼い頃は思っていました。今は、たぶんそんなことはなかっただろうと思いますが・・・(笑)私が今親になってみて我が子に接する時、1度目の失敗では、その失敗がなぜいけないのかを伝えます。子供本人が理解するまで付き合います。そして、2度目の同じ失敗に対しては、本人が一度目を覚えているかを確認します。その時の態度に偽りがあれば、即、雷が落ちます。でも、まだおぼろげにしか理解できていなかったと判断すれば、必ず、次は忘れないようにね!と念を押します。そして、3度目に同じ失敗をしてしまった時は、本人から気がつけばよし。気がつかなければ、かなり恐ろしい形相になると思います(笑)これらの過程で、「失敗をすることは悪くない。それをそのままにしたり、ごまかしたりすることは絶対にいけない!」ということと「失敗に気づき、次にどうすれば失敗しないかを自分から報告すれば問題はない。むしろ、自分から報告するのはとても勇気の必要なことだからスゴイと思う。そういうあなたは大好きだよ!」と常に伝えます。子供達は、私のことを、お友達のお母さんより怖いと言います。私もそうだろうと思っています。でも、私が親から伝えてもらったことに比べれば、十分の一くらいの怖さだと思っています。そして、一番の違いは、子供達は、私のことを大好きとも言います。お母さんみたいになりたいとも。常に確認を怠りませんが、これは、迷いながら子育てをしている私にとって、とても嬉しいことです。子供達は知っています。ただ優しいだけよりも、自分を、自分の望むそして正しい道に導いてくれる人を好みます。それが、自分の将来の幸せになるということを察知しているのでしょう。~ところで、海草の根っこは、どこでどうやって育つのでしょう?幼稚園や保育園でしょうか?それとも、小学校?それとも中学校?・・・今の私が言えることは、4~5歳くらいまでの家庭内だと思います。根を張るという成長は、とてもエネルギーのいることです。そのエネルギーを注げるのはその子にとって家族と呼べる人のはず。そして、脈々とした伝統を受け継ぐ!と言っても言い過ぎではないでしょう。これが分かるのは、比べるものがあるから・・・と私は思っています。子育ては、最低でも10年後でしか結果が出ないのではないかと思うくらいです。0歳から10歳まで。本当は14歳くらいまでの方がより分かりやすいと思います。この期間で、4~5歳くらいまでに身に付けた人間としての基礎の結果が出てくるはずです。これは、学業ではなく人格の分野です。そして、6歳~の地域や教育機関での大人達の接し方も大きく影響してくると思います。でも、あくまで、これらは補助的な存在。軸は、家庭でしか培われないのではないか?という部分は、まだ調べ中です。私自身、これからも、さまざまな失敗をするでしょう。でも、今では失敗を恐れてはいません。その失敗を糧に成長していきたいと思っているからです。~さて、今日は、さまざまなハプニングを呼び起こしたバイオリンの購入に子供達と共に行ってきます。2年前の私でも、今のゴールにたどり着くことはできなかったでしょう。このゴールにたどり着き、そしてさらなる先のゴールへ向かうことができるのは、今までの失敗を糧にし、学び続けているからだと思います。『一瞬を楽しむ』これをつぶやきながら、今日も一日頑張ります♪

  3. 内容と関係無く、、いいえおっしゃりたいことは分かりますが、このお話をされるのに津波の被害に遭われた地域の例を出すのは適当なのでしょうか?被災者の方は、高台に住んでいれば、もっと早く非難していれば、そんな後悔の中で時を過ごしていらっしゃるでしょうに。被災者の方だけでなく多くの人がこの地震を教訓にしようと肝に銘じているはずです。それでも長い時の流れの中でその強い後悔の念でさえ風化していくのは、ただ、それも人間ということなのではないでしょうか。「失敗から学んで成功する」というお話しとは次元が違うように思いますが、それでは考えが甘いのでしょうか。
    杉本さんのご意見は楽しみに読ませていただいていたので残念な気持ちで初めてコメントさせていただきました。適当でなければ削除してください。

    1. Keyさん
      コメントを見るのが遅くなり、お返事が遅れて済みません。おっしゃる通り、配慮が足りませんでした。反省します。著者のコメントをそのまま引用させていただき、失敗を成功につなげると言う趣旨で書きましたが、誠に不用意な発言でした。今後は注意して書くように致します。ご意見心から感謝しています。杉本

  4. 文章を書くことって、難しいですね。~自分の書いた文章を受け取ってほしいターゲットの絞り方や、そのターゲットが分かりやすくなる仕掛けが必要なのですね!それにしても、難しい。かといって、切り込みは必要だし…。でなければ、第三の案がでない気もします。相手への絶対的信頼を持つ者同士なら、これが可能なのでしょうね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>