from 杉本
随分以前の事ですが、
外資系の医療機器販売会社で、
営業部隊の訓練を、
担当していた事がありました。
ある営業マンに同行して、
彼の担当する大学病院を、
訪問した時の事です。
その営業マンが、
ちょっと席を外したすきに、
話をしていたドクターが、
こんな事を言いました。
ドクター：「あいつ、何とかならんか」
私：「と、おっしゃいますと？」
ドクター「あいつ、いつも売りにくるだけや」
確かに、ドクターが苦情を言うのも、
もっともな事です。
モノを売るのが仕事の人は、
相手に売りつけてはいけないのです。
ＢＭＷのトップセールスマンだった方が、
ＴＶの取材で、
「私は、車を売らない」と言っていました。
成功している営業担当者に、
共通しているのは、
モノを売るのではなく、
顧客を大事にすることを、
第一に心掛けることです。
トップセールスマンは
顧客の近くに行けば、
必ず顔を出しますし、
顧客からの電話に
実に細かく対応しています。
一見、非効率に見える動きをしますが、
車はどんどん売れるのです。
車体にちょっと傷が付いたからと聞き、
出かけていくのは、
それをきっかけに
車の買い換えを勧めるわけではないし、
そんな話しは、一言もしません。
にもかかわらず、
車が売れるのはなぜなのでしょうか。
お客さんがお客さんを、
紹介してくれているのです。
「あの人から買えば、安心だよ」と。
顧客が自分のファンになり、
客を紹介してくれます。
自分の代わりに
セールスをしてくれるのです。
「私を買えば、車が付いてくる」
ＢＭＷのトップセールスマンは、
そう断言しました。
客は車を買っているのではなく、
私という人間を買っているのだ、と。
その結果、おまけで車が付いてくるのだ、と。
「顧客にサービス、満足を買ってもらっている」
ということです。
ある時、顧客から紹介された客の所に行くと、
その客は新車ではなく、
ＢＭＷの中古車を、欲しがっていたそうです。
中古車は売っても、
彼自身の成績にはならないのですが、
客の要望に合う中古車を、
駆けずり回って探しました。
すると、その客は、
彼のその態度に感動し、
中古車をやめ、
新車を購入したのだそうです。
売れない営業マンは、
モノを売ろうとします。
トップセールスマンといわれる人達は、
モノを売るのではなく、
相手のして欲しい事を、
進んで行なっているのです。
これは人間関係構築の極意と、
言えるのではないでしょうか。
相手の望みを知って、
それをかなえてあげる。
そうすると、相手も、
自分の望みの達成に、
力を貸してくれる。
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杉本恵洋（すぎもと しげひろ）
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耳の痛い話です。
私も昔は営業マンでした。その時、上司からも「営業とは物を売るのではなく自分を売っていくんだ。」と言う話は聞かされていました。しかし、実際には目先の数字に追われて余裕のない行動ばかりに翻弄していました。
現在、独立して「士業」を営んでいます。本来なら、勤めていた時よりもなお一層、自分自身を売っていくべきなのですが、以前として、数字を追いかけた様な行動をしています。そして、伸び悩んでいる自分がいます。
初心に帰って、考えや行動を見直さなければならない、と思っている最中でしたので、読み込んでしまいました。
たしかに、メリットばかり強調して必死に売りつけようとするセールスマンに会うと「この人、目の前の客より自分の実績の方を大事にしてるんだな・・」と思ってしまいます。大体「買わない」という事を言い辛いと感じる営業マンさんにはまた頼もうとは思いません。私が契約してる保険会社の営業の人は契約を結ぶまでとても長い時間かけて相談に乗ってくれて家庭の事情などあれこれ考量して本当に身内のように一緒に考えてくれて、一番良いと思えるのを選んでくれてました。私が他社のものの話をしても決して嫌がることなく丁寧に説明していたし何回も「もうちょっと考えさせて」と言って契約までたどり着けなかったのにその度に「もちろんです」と言って愛想よく接していました。結局その会社と契約したんですが、やっぱりずっとこの人に任せようと思ったし人にも紹介したいと思いましたね。
営業の勉強をすると、自分自身を鍛えられます。勉強だけではなく、実践をした方がもちろんいいです。私が、営業を学び始めたきっかけは、杉本さんが言われているような人に出会い、その人の人柄に感動したからです。そして、今は、自分の夢にも向かっていますが、いつもその人の夢も叶えたい！と思いながら、アンテナをはり行動しています。私の夢はその人の夢。その人の夢は、私の夢。この関係が夢実現の原動力にもなっているんですね！
まったく同感です。営業とほぼ同じような事業開発の仕事をしていますが、いつもそのように行動するように心がけています。日本では特にその傾向が強いですね。ただ、業績が上がるまでには、基礎を築く時間が相当かかりますよね。私の場合、それをアメリカ人のボスが理解してくれないのが悩みです。
まったく同感です。営業と同じような事業開発という仕事をしていますが、いつもそのように心がけています。外国では少し事情が異なる国もありますが、日本では顧客の信頼と満足を得るように行動する事によって業績が上がっていきますね。ただし、実績が出るまでには、基礎を築くため相当な時間が必要ですよね。私の悩みは、アメリカ人のボスがそれを理解してくれないことです。
よく聞く話だが、実際は
他人にタダで何かさせようと思う乞食ばかりだ。