曇りのない目

from 杉本

人は、一旦相手を好きになると、
「好きを証明する事実ばかり」が目に入り、
いっそう好きになるとか、

一旦嫌いになると、
「嫌いということを
証明する事実ばかり」が目に入り、
いっそう嫌いになるとか、

逆に、好きになった人の、
「気に入らない事実」は、
目に入りにくくなり、

嫌いになった人の、
「素晴らしい事実」は、
目に入りにくくなりがちというような、
傾向があるようです。

これを「偏向の盲点」と、
言うのだそうですが、

私達は、
様々な色眼鏡を
かけているのではないのだろうかと、
思うことが良くあります。

専門領域へのこだわり、
過去の成功体験へのこだわり、
自分が選択したものへのこだわり、
今やっている仕事への執着等々。

これらのこだわりが、
事実にバイアスをかけて、
歪んだ情報収集を、
してしまうのではないでしょうか。

自分の考えや感情が、
見方によって、
いかに変わるものか
ということを忘れた時、
人は現実を、
曇った目で見始めます。

このことに関して、
私は、次の言葉を教訓にしています。


「明るく曇りのない目を
持ち続けるようにしなさい。
あなたは自分という窓を通して、
世界を見ているのです」
      ジョージ・バーナード・ショー

バーナード・ショーは、
利害を忘れて、
常に明るく曇りのない目で、
見続けることが大事だと、
言っています。

また、「もののけ姫」のアシタカも、
同様の教訓を与えてくれています。

「曇りなき眼で見定める」
     アシタカ(もののけ姫)

アシタカは、
タタリ神の呪いで死ぬことを、
運命付けられます。

そしてそれを真正面から受け止め、
自らの運命を見定めるため旅に出ます。

そして物語は、
「人間」や「もののけ」、
様々な集団が入り乱れて
進んでいきますが、
結局アシタカは、
どの集団にも属しません。

ジコ坊のセリフに、
「あやつ、一体誰の見方なのじゃ」
とありますが、
彼の行動は、
全て自分の
「曇りなき眼で見定め決めて」います。

これは物語のはじめから一貫していて、
彼に迷いや葛藤は一切ありません。

脅されても、情をかけられても、
色目を使われても、
集団の中にただ一人あっても、
何があっても流されません。

他の登場人物は皆、
自分の立場で物事を判断して、
行動していますが、
アシタカだけは常に、
「何事にもとらわれません」。

このアシタカの生き様。
ここから私たちも、
とても大切なことが学べる気がします。

きっと私たちは、
様々な「曇った眼」を持っています。

自分の置かれている立場からしか、
物事が見られていないかもしれません。

自分の価値観が、
正しいと
思い込んでいるかもしれません。

社会や周りの常識が、
正しいと
思い込んでいるかもしれません。

損したくない、
人からよく見られたい、
とばかり考えているかもしれません。

たぶん、この、
「曇りなき眼で物事を見定める」
ということは、
普通に社会で暮らしていると、
本当に困難なことでしょう。

常に偏見や先入観を持たずに、
すべてを見ることは
理想ですが、
常にそのような状態でいられなくても、
バーナード・ショーや、アシタカの言葉を、
心の片隅に置いておけば、
あまり偏った見方には、
ならずに済むと確信しています。

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杉本恵洋(すぎもと しげひろ)

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7 thoughts on “曇りのない目

  1. すばらしい内容の記事をありがとうございます。改めて『気づき』を頂きました。
    真我(本当の自分)の周りが必要以上の欲(利己主義「自分さえ良ければ・・自分中心の考え方」)で曇っていると三次元的な『欲しいモノや地位、名誉』などを追いかける事しか出来なくなるって聞いたことがあります。80年、永くても100年程度の短い間だけでも、自分の『本物の良心』に基づき楽しく幸せに生きて、生かされて感謝したいものですね。
    これからはそんな時代だと感じています。

  2. 100歳目標在宅介護でその他で忙しくしております。
    私は、一人ッ子なもので母はがんで、寿命3か月のところ5年ほど生きてくれ、父は終始一貫、母を、守り続けていました。
    今度は私が父を守る番です。
    父と母に感謝です。
    誠ごころという精神遺産をいただいて言葉ではむずかしいです。
    いつも読んで、なるほどなと思っています。ありがとうございます。

  3. 素晴らしい!!正に人生の金言!!。
    私の母は 102才 この 三月ぐらいから 認知的症状もでて 戸惑う事もありましたがある時
    施設で 脳梗塞で車椅子によるリハビリに励む方から 「あんたのお母様から生きる元気をもらった、実に素晴らしい笑顔 正に天使の笑い!!」
    正直私の中に 102歳の 認知症の母を疎む気持ちが在りましたが、彼の言葉に 人間いくつになっても人の役にたつのだな、、。すべての偏見、思い込みを超越した102歳の母に 曇りのない目を見ました。

  4. 曇りなき目・・・本当に凛とした清々しさを 自分自身に感じていられる状態・・そういうことって、なかなか難しいですよね。
     
     私の母は 最近 目がいつも涙(本人はそう言ってますが)が出て かすんでうっとおしくてならない・・とこぼしています・・・眼科へ行っても、色んな良いと言われているものを試しても どんどん悪くなっていく・・と言っています。
     私は、母の為に何とかしてあげたいと思い、色々調べては 良いと言われるものを 取り寄せては 持って行っています。
     外から見た目には、以前よりも 色んな所が良くなっていると思いますが・・・母は 外は良くなっても 中がどんどん悪くなっていっている・・と言います。
     私は 嫁いでいますが、両親の為に これまで色々とお世話をしてきましたが・・・母は 息子が可愛くて、帰って来もしない息子の為に 家まで建てる援助をしています。
     私的には、「目が曇ってるんだよ・・」って 言いたいです・・本当に、身体って正直だと思います。

  5. 自分の感情の状態で、物事の捕らえ方が左右されること、だんだんわかり始めました。
    個人の価値観でなく、宇宙の価値観で。そんな視点を持って。

  6. はい!私も時々頭の中に沸き上がる「曇りなき眼」という言葉と、あのシーン。たぶんこれは、曇った眼で見そうになったとき、潜在意識からの注意なのだと思います。宮崎駿さんのストーリーには、とても深いヒントがたくさん秘められています。いつ見ても気づきがあります。

  7. 人は、信念がなければ、根無し草のように状況に流されるでしょう。「偏見や先入観」はもちろん避けるべきですが、自己の信念が、「偏見や先入観」でないと見極めるのは、価値観多様な時代には、本当に難しいことだと思います。これが正しいと思えることでも、功利主義者には、馬鹿らしく見えたり、時代錯誤に見えることもあるでしょう。「曇りのない目」というのは本当に曖昧で、突き詰めるとわかりません。ただ、時折、「これは自分の偏見だろうか」と振り返っても、自分の確たる信念があるから、それを否定する考えは浮かばない。あるとき、人とぶつかって初めて、自分の考えを振り返ります。でも、人は多くの場合、本音で話しませんから、ぶつかることすらありません。大雑把でKYな自分には、非常に難しいことです。

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