理想を探している人を採用する会社

from 杉本

ちょっと昔の話で恐縮ですが、
アメリカで、サウスウエスト航空の飛行機に、
乗ったことがあります。

すると、入り口でキャプテンらしき人が、
ボール4つで、
お手玉をしているではありませんか。

他にも、私のときは、
ありませんでしたが、
キャビンアテンダントが、
上の荷物入れに隠れていて、
乗客が荷物を入れようとして、
開けたとたん、
紙を筒状に巻いた物で、
ポンと頭をたたかれたり、
なかなか奇抜なおもてなしを、
してくれることで、
有名な航空会社です。

面白いことをするだけではなく、
この会社は、
1971年に設立され、1973年に黒字化し、
以後39年間、
一度も赤字になったことがない会社なんです。

9・11のテロ以降、
全世界の航空会社が、
赤字になったのに、
ここだけはなりませんでした。

いわゆる格安航空会社ですが、
全米航空宇宙局の調査によると、
もっとも、顧客満足の高い会社に、
ランクされています。

安売りと、サービスの良さが両立する、
スゴイ会社なのです。

中でも驚くのが、
社員の満足度が高いということです。

働き甲斐のある会社に、
ずっと、ベスト100入りしている、
会社でもあるのです。

この会社の理念をご紹介します。

「サウスウエスト航空の理念は、
温かい心、親しみやすさ、個々人の矜持、
そしてカンパニースピリットを重んじ、
最高の顧客サービスを提供することである」

そして、「従業員へ」という、
以下のメッセージが続きます。

「私たちは従業員に、
学習と成長の機会を平等に保証し、
安定した労働環境を提供することを約束する。
サウスウエスト航空の企業価値を向上するために、
創造性と革新性を奨励する。
そして何よりも、私たちは、従業員を、敬い、尊敬し、
慈しむとともに、従業員にはこれと同じ態度を持って
すべての顧客に接することを期待する」

私は、会社の理念を、
全社員に浸透させるというプロジェクトを依頼されて、
コンサルティングさせていただくことが多いのですが、
ただ、いい文章を作ってある、
というだけの企業も少なくない中で、
この会社は、
一生懸命、理念どおりの会社にしようと、
頑張っています。

そして、さらに素晴らしいことは、
サウスウェスト航空は、
ここに書かれていることに、
賛同する人を採用しようと、
全力を尽くしているのです。

採用の基準は、職を探している人ではなく、
理想を探している人、です。

面接時、何人か同じ日に、
面接をするそうですが、
その時、面接会場では、
大きな部屋で、待ってもらうそうです。

その時、サウスウエスト航空の人が
「皆さん緊張しているようなので
緊張をほぐしてもらうために、
面白いことを、言ってくれる人いませんか?」
と、投げかけるそうです。

すると、手を上げて、
やる人がいるそうです。

なるほど、そういう積極的な人を、
採用するのかと思うと、
そうではないとのこと。

「そういう緊張の場面では、
前に出てくれた人の話は、面白くないんです。 
それを見て、微笑んでくれる人を、
採用するんです」と。

面白くない話でも、一生懸命聞いてあげて、
笑ってあげられる人格の持ち主は、
お客様に、最高のサービスをしようと心がける人です。

仕事を楽しみ、人生を楽しみ、
幸せに生きるためには、
そんな人格を身につけるといいのですね。

育自コンサルタント
−自分を育てるお手伝い−

杉本恵洋(すぎもと しげひろ)

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6 thoughts on “理想を探している人を採用する会社

  1. サウスウエスト航空が採用したいのは、積極的に人を楽しませようとするサービス精神かと思いましたが、別の人格だったのですね。
    会社に受けようという魂胆で起こした行動だとしたら、会社に見透かされ、採用されないのでしょうね。
    色々なところで試されていることがわかり、とても面白いです。
    どこを見られているのかわかりませんので、行動の元になる人格がどうあるかが大切です。
    人を、敬い、尊敬し、慈しむとは、どうあるべきなのだろうと改めて考えました。

  2. 本はその会社の本当のことを表現しておらず、えてして良い部分だけを切り取って書くことが多いと思います。その上、アメリカなど外国の内容だからこれくらいのことはあるのかと想像はするものの、にわかに信じがたい内容としか思えません。

    アテンダントが荷物入れに隠れていて、お客様にポン、なんて、自分が社長だったら真っ先にやるようなニュアンスですが、日本の会社では受け入れてくれません。過去に幾度も却下されつづけてきました。

    今の会社もそうですが、日本はいまだに権力が言うことは正しい、さからうと裏で左遷が待っているという風土の会社がどえらく多いので、面白いこと言ってと言われたら、手を挙げて面白いことを言う者が好評価となる、という手法ばかりでしょう。
    シチュエーションを全く考慮しておらず、狙ってその行為をおこなおうとする心理が働くことを全く考慮に入れておりません。
    このようなよくない判断基準を会社に指摘すると、「そのように立ち回ろうとすることが大事じゃないか」と言われるのがオチ。つまりいまだに日本は、
    「会社、または直属の上司のいうことに”狙って”合わせることができる」
    ような、
    「仕事だから自己犠牲するのだ」
    という、本心でない人が良しとされやすい社会です。
    逆に、採用か否かの場なのにライバルの話を笑えるというのは、ライバルにとってみれば勇気づけられることであり、でも、笑ってあげた本人は何の得もないです。自分は面白くなかったけれど頑張っているので笑ってあげたい、そのようなホンネが尊いものだと思います。
    面白くない話でも笑ってあげられる人のその笑う行為はホンネっぽい気がします。であれば、笑ってあげようとした人は高い徳をもってるかも知れないという判断基準になるかも知れません。

    サウスウェスト航空のことがもしも本当だとしたら、こちらの方が人の本質を垣間見るのにはいいかも知れません。少なくとも手を挙げる者が良いという日本的な短絡思想よりもまともです。

  3. サウスウエスト社って、そんなんい素晴らしい会社?なのですか?
    航空会社っていうと、規律が重んじられるイメージがあるのですが、それよりも、人間性を
    しっかり見抜ける人事ができているって驚きです。
    やたら、講釈ばかりがお好きなトップは見抜けていないのでしょうね。

  4. 某大手居酒屋チェーンの会長に読んでもらいたいコメントです。

  5. 相手に意識を向けること、それは、最大のおもてなしなんだと感じます。アイコンタトなしの接客は、相手に伝わらない。意識を相手に向けて、相手の存在をちゃんと聴く。そこからなんでしょうね。コミュニケーションは・・・。

  6. 想像以上に難しいことでしょうねぇ。私もそんなふうにしたいと、ただ今奮闘中!やっぱり、自分が軸ですよね。とにかく、自分を鍛えて人格を磨き、それを他へ影響できるレベルにならなくては。まだまだ学ぶこと多し!です。

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