問題の本質を見極めるヒント

 

 

From:  ネクストリーダーチーム　近藤

 

リーダーに求められる資質のひとつに
「問題解決力」があります。

今日の原田先生の話は
この問題解決力を高める話です。

今後、困難な問題に直面したときも
あななのお役に立てるでしょう。

 

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私も研修などでよく引用する
欲求階層説で有名な心理学者
アブラハム・マズローは
次のようなことを述べている。

 

「もしあなたが金槌しか持っていなければ
全ての問題は釘に見えるだろう」

 

私はこの言葉を大切にしている。

また同時に、お客様から
課題解決のご相談をいただくときにも
一つの指針としている。

この言葉の意味はこういうことだ。

 

ある何かの問題を解決する必要に迫られた時、

経済学者は経済の観点で
教育者は教育的な見地で
IT技術者ならIT技術で

つまりは自分の持っている
「最も使いやすく手近な道具」を使って
解決する傾向が強い、ということである。

 

「自分が最も使いやすく手近な道具」
を使って問題を解決する、

ということは、もちろん悪いことではない。

 

これは言い換えれば「長所発揮」であり、
強みを生かして課題や困難にチャレンジすることは、
生きていく上でも重要なことである。

かくいう私も、何か社会的な問題に
対応するときには、自分の教育者としての
経験と育ててきた強みから考える。

これは、「教育的に考えてみよう」
などと構えてから考えるという意味ではなく、
もはや無意識のうちに自動的に、
教育的な見地に立ち、物事を分析しているということだ。

 

もちろん、全ての課題が教育的見地から考えれば
解決できるというものではない。

しかし、自動的に考えているので、
そのことに気づくのには少し時間がかかる。

 

自分が手にしているのは、
多くの場合、金槌である

ということを自覚しておかないと
手段が目的化してしまう危険性
があるということは銘記すべきであろう。

 

その時に重要なのが
「問題の種類分け」である。

これには、リーダーシップの専門家
ハーバード大学のロナルド・ハイフェッツ教授の
お話が役に立つのではないだろうか。

彼は以下のようなことを述べている。

 

「全ての問題は２種類に分けられる。
すでに解決策の存在する、技術的な問題と
まだ解決策のない、適応が必要な問題である」

 

技術的な問題は、専門家が解決できる。

また同じような問題なら、
解決策を活用することもできる。

しかし、適応が必要な問題では、
専門家の力だけでは全てを解決できないことが多い。

問題を取り巻く環境を変えたり、
関わる人々の価値観を変えさせたり、

つまりは、問題が起きている、
という現状に適応するための
変化が必要であるということだ。

 

手にした金槌で解決できる問題なのか、
金槌を別の道具に持ち替えて解決するべき問題なのか。
（あるいは、例えばのこぎりを持った
誰かにお願いすることも時には必要だろう）

私はこれができます、という自負の念、自信。

現状を大局的に分析し、
最善の解決策を粘り強く見つける観察力。

解決のために、人々に価値観を
変えてもらえるだけの説得力。

問題や課題を見つけ解決するときにこそ、
リーダーとしてのリーダーシップの真価が
問われると言えるだろう。

 

今回紹介したような、
日頃の自分の実務的な部分（仕事のやり方、考え方）
についてハッと気づかされる言葉を私は好んでいる。

最後にもう一つだけご紹介したい。

相手が本当に求めているものは何か
ということを深く考えるときに参考になる言葉である。

 

「ドリルを買う人が、本当にほしいものは穴である」

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

原田隆史

（原田研究所公式メールマガジン　「金槌と釘」より）

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