リーダーに求められる要素(前篇)

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From:ネクストリーダーチーム 近藤

 

「リーダーに必要な在り方」とは?

今日はこのことについて心理学の
観点を踏まえて、原田先生が
書いてくださっています。

早速、御覧ください。
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以前、2010年に発刊した拙著
「いま、子どもたちに伝えたい事」(ウェッジ)

の中で、家族のよりよい関係性を築くための
観点としてご紹介したのが、
「エゴグラム」という手法である。

 

エゴグラムは、アメリカの心理学者である
エリック・バーンが開発した交流分析を基に、

同じく心理学者のJ・M・デュセイが作った、
性格分析の手法である。

日本では、50問の質問に答えることによって、
自分の心の特長が分かりやすく
可視化されることもあり、一般的な
心理分析手法としても広まっている。

 

エゴグラムでは、人間は誰でも
5つの自我を持っていると考える。

1.父性(CP=Critical Parent)「厳しい父親」のような性格の要素

2.母性(NP=Nurturing Parent)「優しい母親」のような性格の要素

3.大人性(A=Adult)「合理的な大人」のような性格の要素

4.子ども性(FC=Free Child)「元気な子ども」のような性格の要素

5.素直性(AC=Adapted Child)「素直な子ども」のような性格の要素

 

以上5つの自我は誰にでもあるが、
それぞれの自我にどの程度の時間を
費やしているかは、

人によって様々であり、
その差によって、
考え方・行動、気持ちの持ち方などが変わる。

 

私たちが普段、「○○さんは〜という性格」
などと人を判断する場合は、○○さんが
普段よく“使っている自我”、

つまり自我の目立つ要素で、
その人を判断しているということである。

さて、この5つの自我は、どれが高いのが
良いとか悪いとかいうことはない。

 

しかし、仕事や人とのコミュニケーションなど、
「ある特定の場面」に限定すれば、
高い方が良い(その自我を使った方が良い)
と思われる場合もあるのではないだろうか。

 

例えば、私は20年間、中学校教員を
生徒指導の立場から勤めたが、
そのほとんどの時間を「CP=父性」という
自我を意識的に強調させて過ごした。

それは、私の役割が、
荒れた学校を建て直す・学校の治安を
回復する・安心で安全な学校生活を作り、
維持する、というような、

生徒の命と安全を守る生徒指導上、
大変重要なものであったからだ。

 

つまりは、「厳しさ」という役割を
演じ続けたということである。

実際にエゴグラムテストをしてみると、
私は厳しさの「CP」よりも、
優しさ・母性の「NP」の方が高い点数
(つまり特徴的であるということ)が出る。

他校の生徒が殴り込んでくる、
生徒が事件に巻き込まれる、

などの厳しい場面においては、
覚悟を決めて決然とした態度で
臨むCP(厳しさ)がどうしても
必要不可欠なのであった。

 

私の例をあげてみたが、
では、読者の皆さんの今のお立場、
仕事、職業上のポジションにおいて、
「必要な」自我の要素は5つのうち、
どれであろうか。

(もちろん、5つをバランスよく使うことも、
大切なのであるが)私は常々お伝えしているように、
ライフワークとして「理想の職場づくり」に取り組んでいる。

日本の職場、というものの傾向を考える中で、
どうしても避けて通れないものは
「人間関係」である。

 

上司、同僚、後輩。
仕事がはかどるかどうかは、
職場での人間関係に左右される部分が
あることは、否めない。

理想の職場づくりでは、働く人、
一人ひとりの在り方と同時に、
その職場を統括する“リーダー”の
在り方についても、

リーダー自身にお考えいただく
(自己の振り返り)ことにしている。

 

では、リーダーとして必要な自我は、
5つのうちのどれなのだろうか。

例えば部下が目標達成に苦しんでいるとき、
お客さまからクレームを頂戴したとき、
取引先から難しいリクエストがあった場合。

つまりは、仕事における課題や難題に出会ったとき、である。

同じ事を、以前開催した教師塾でも、
参加している先生がたに考えていただいた。

 

私の考えでは、職場のリーダーや
教師に求められる、難局を乗り越える
自我は「A=大人性」である。

冷静、客観的、現状分析からの
判断力、計画性、などが、A=大人性の特徴だ。

この自我が低いまま(高くしようと意識せず)、
課題や難題に立ち向かおうとすると、
出てくるのは自分が「いつも使っている自我」である。

 

CPが高い傾向にある人なら、
厳しい態度・やや強引な態度で、
力技で難局を突破しようとするだろうし、

NPの高い人なら、相手の立場に配慮しながら、
話に耳を傾け、そのことで
相手との距離を縮めようとするだろう。

さて、これまでのあなたの経験を
思い出していただきたい。

 

仕事やその他の場面で、
自分が試されるような課題・難局に
であったとき、どのような対応をすれば
上手くいっただろうか。

どのような対応をしたときに、
「ああまたやってしまった」と
後悔するような良くない結果が
生まれただろうか。

おそらく、多くの方が
「冷静になれなかったとき」に、
後悔が生まれるような
結果となってしまったのではないだろうか。

 

課題や難局に対面したときに、
自我をコントロールし、すすんで、
意識的に、冷静で“大人な”対応を心がける。

つまりは、演じるのである。
大人の冷静な対応とは、淡々としている、
やけにあっさりしている、という意味ではない。

「情報→分析→判断→計画→行動→検証」の
思考・行動プロセスで、自分の軸を失うことなく
堂々と対応することである。

 

では、肝心要で力を発揮する「大人性」は、
どうすれば高めることができるのであろうか。
5つの自我は、自分の心がけや行動次第で、
高めたり引っ込めたり、
使ったり休めたりすることができる。

これがエゴグラムの画期的な考え方なのである。
大人性の高め方は、また次号で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(原田隆史)
(原田研究所公式メールマガジン
【5つの自我】より)
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