From:ネクストリーダーチーム 近藤
原田先生はずっと陸上部を教えてきました。
先生ご自身も陸上をしてきました。
陸上といえば、一見、個人スポーツの
ようですがその指導の中に、
チームを最大化するカギが
あったそうです。
もちろん、これはスポーツに限らず、
仕事でも言える内容。
今日はそのカギについて
お話してくださっています。
それでは、さっそく読んでみてください。
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私は中学校から大学を卒業するまで、
陸上競技部に所属し選手として
練習に試合に取り組んだ。
中学、高校、そして大学と
それぞれのステージでは
リーダーやキャプテンもさせてもらった。
また中学校教員になってからは
陸上競技部の顧問として活動し、
多くの生徒たちと夢を追いかけ
希望を形にするという、
かけがえのない経験をさせてもらった。
「さて陸上競技をしていた」と話をすると、
陸上は個人競技だから、
ということをおっしゃる方がよくおられる。
その通り、オリンピックや大きな大会など見ていても、
リレーや駅伝以外は、陸上競技は個人と個人が
記録を競い合うスポーツである。
世間の多くの方々にとって、陸上競技は
個人競技と映っていることと思う。
特に、短距離走(ウサイン・ボルト選手や福島千里選手)や
フィールド競技(ハンマー投げの室伏広治選手や
棒高跳びのエレーナ・イシンバエワ選手)だけを見ていると、
陸上競技は1人vs.1人の
個人の競い合いであると思われても
仕方ないとは思う。
しかし、私にとって陸上競技が個人競技だったことは
一度もない。
確かに、トラックに立てば(私は中距離走選手だった)、
自分の力で走りきるしかない。
しかし、トラックに立てているのは誰のおかげだ。
そう考えた時には、陸上競技は個人競技ではなくなる。
私にとっての陸上競技は、
選手時代にも指導者時代にも、
常に「集団陸上競技=チーム競技」であった。
つまり、チーム力で勝負してきた、ということである。
これは、冒頭にお話したように、
私が中・高・大とありがたいことに
まとめ役をさせてもらったことと
大いに関係があると考えている。
チームをまとめたい。
お互いを応援したい。
仲間がいるから頑張れる、
そんなクラブにしたい、
と考えて取り組んだ。
そこから、「自分の試合の結果(記録の良し悪し)の
責任は自分でとるが、記録を出せるのは
仲間のおかげ」という考え方が、
私の根っこにまで染み渡ったのである。
私はその経験を、教員になって陸上競技部を
指導するようになってからも活用かした。
記録を出せる強い選手が、天狗になって
チームメイトを軽くあしらうことがあれば、
私は烈火のごとく叱りつけた。
陸上競技をしている限りは、記録が大切だ。
しかし、記録よりも大切なものがある。
私はそれを、生徒たちに身をもって伝えたかったのだ。
私は中学校で初めてリーダーをさせてもらった時から、
うっすらと考えていたことがある。
チームをまとめ、強い弱い、速い遅いではなく、
誰もが認められ自主的に頑張れるクラブを作りたい、
と取り組む中で気づいたことは
「チームの状態がよければ、個人の記録が伸びやすい」
ということであった。
チーム全体のムード、様子、感覚的につかめる状態が
『いいぞ』と思えるとき、私を含めてたくさんのチームメイト達が、
自己新記録を更新したのである。
そしてこれは、高校でも、大学でも、
そして指導者になってからも変わらないことであった。
「チームの状態がよければ、個人のパフォーマンスが高まる」
私は指導者になった当初から、
このことに確信を持っていて、
チーム力を高めるための様々な工夫を行った。
つまり、チーム=組織の力をどうやって高めるのか、
ということに取り組んだのである。
強豪校と呼ばれる、全国各地の学校の陸上部の
練習見学にもいった。
また、教師を退職する数年前からは、
経営者の方にお願いして、
企業という組織の経営の仕方についても
教えていただいた。
経営という言葉を、実感として使えるようになったのも、
ちょうどこの時期であった。
さて、ではどうやってチームの状態をよくすれば良いのか。
それは「個人を活性化すること」と考えている。
陸上競技でいうなら、記録を出させるだけではいけない。
その選手を、人として、陸上競技選手として、
中学生として「活性化」されなければならないのである。
そしてこれは、企業教育の現場に身を置いて
再認識したことでもある。
企業における活性化とは、
個人の仕事=パフォーマンスの向上+役割の活性化、
ということに他ならない。
その活性化の取り組みを、
研究によって実現したのが、
私たちが取り組んでいる
理想の職場づくり=ICM
という方法なのである。
今回のキーワードは「活性化」。
次回はさらに詳しくお話したい。
いつも最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
(原田隆史)
(原田研究所公式メールマガジン
【活性化】より)
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